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  1. 山口県議会 2022-06-01
    06月17日-06号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 4年 6月定例会   令和四年六月山口県議会定例会会議録 第六号      令和四年六月十七日(金曜日)  ────────────────────        議事日程 第六号      令和四年六月十七日(金曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第十四号まで(質疑・議案第十四号採決)  第三 意見書案第一号及び第二号  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第十四号まで  日程第三 意見書案第一号及び第二号                会議に出席した議員(四十六人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          酒   本   哲   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          高   井   智   子さん                          猶   野       克 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          岡       生   子 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          磯   部   登 志 恵さん                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(一人)                          髙   瀬   利   也 君                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         平 屋 隆 之 君                    総務部長        内 海 隆 明 君                    総務部理事       近 藤 和 彦 君                    総合企画部長      松 岡 正 憲 君                    産業戦略部長      前 田 安 典 君                    環境生活部長      藤 田 昭 弘 君                    健康福祉部長      弘 田 隆 彦 君                    商工労働部長      小 関 浩 幸 君                    商工労働部理事     三 浦 健 治 君                    観光スポーツ文化部長  三 坂 啓 司 君                    農林水産部長      高 橋 博 史 君                    土木建築部長      和 田   卓 君                    会計管理局長      京牟礼 英 二 君                    財政課長        安 藤 公 浩 君                    公営企業管理者     正 司 尚 義 君                    企業局長        今 村 政 裕 君                    教育長         繁 吉 健 志 君                    副教育長        木 村 香 織 君                    公安委員長代理     今 村 孝 子さん                    警察本部長       中 西   章 君                    代表監査委員      河 村 邦 彦 君                    監査委員事務局長    本 多 昭 洋 君                    労働委員会事務局長   松 田 一 宏 君                    人事委員会事務局長   大 田 淳 夫 君                    選挙管理委員長     秋 本 泰 治 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        國 吉 宏 和 君                    事務局次長       原 田 和 生 君                    総務課長        嶋 田 英一郎 君                    議事調査課長      岡 本 正 敏 君                    政務企画室長      國 弘 敏 和 君                    秘書室長        植 木 啓一郎 君                    議事調査課主幹     作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   益 本 悟 史 君                    主任          河 村 美也子さん                    主任          賀 山 智 江さん                    主事          佐 伯 和 樹 君   ─────────────午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十四号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十四号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 藤本一規君。    〔藤本一規君登壇〕(拍手) ◆(藤本一規君) 本日も、全てのエッセンシャルワーカーの皆様に感謝を申し上げて、通告に従い、一般質問を行います。知事並びに関係参与員の明確な答弁を求めます。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてです。 第一は、補正予算に関する諸問題についてです。 第一は、県関与産業団地についてです。 本議会に提出された補正予算に、新たな産業団地を整備するための事業費が約八千万円計上されています。 二〇一二年三月、土地開発公社など三公社が廃止された当時、県関与団地は九十七・二ヘクタールのうち、分譲できたのは四十一・八ヘクタールにとどまり、産業団地の負債額は四十二億七千三百四十万円に上り、同額の県債発行によって処理をしました。 二〇一一年二月県議会での私の質問に、当時、二井知事は、産業団地の分譲が低迷したことについて、長期の経済状況の変化を読み切ることができなかったことは、私の不徳の致すところであり、今後は反省の上に立ち、確実なニーズの見通しが立たなければ、新たな産業団地は造成すべきではないと考えますと答えました。 二井知事の答弁から十一年後、なぜ新たな産業団地を造成するのか、確実なニーズの見通しを立てた計画なのか、お尋ねします。 大幅に売れ残った産業団地を売却するために、県は土地開発公社に約十七億円の利子補給を行い、また、地元自治体四割、県四割の土地取得費を補助する制度を創設しました。 新しい産業団地は、土地開発公社時代の利子補給や土地取得費の補助などの税金投入はせず、団地造成にかかった経費をストレートに企業負担とすべきですが、お尋ねをしたいと思います。 第二は、給食費等の高騰に対する負担軽減関連事業についてであります。 この事業に、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助事業があります。 この事業は、コロナ禍における物価高騰の緊急的な対応として、これまでどおりの栄養バランスや量を保った給食等が行われるよう、子育て世代の負担軽減のため、学校給食費等の値上げ分を補助するものであります。 この事業は、山口朝鮮初中級学校が対象に入るものと思いますが、お尋ねをしたいと思います。 国連の子ども権利委員会は、二〇〇四年、在日朝鮮・韓国人児童生徒等に関して、社会的差別と闘い、基本的サービスへのアクセスを確保するため、契約国が、とりわけ教育・意識啓発キャンペーンを通じて、あらゆる必要な積極的措置を取るよう勧告しました。 資料を見てください。資料一、山口県議会は二〇〇四年二月県議会において、国連勧告を尊重し、外国人学校・生徒への処遇改善を求める意見書を全会一致で採択しているわけです。 県が、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助事業に対して、山口朝鮮初中級学校を除外しないのであれば、二〇〇四年二月県議会の意見書の立場に立ち、山口朝鮮初中級学校への補助金を復活すべきですが、お尋ねをしたいと思います。 第二は、阿武町で発生した公金の誤振込事案に関する諸問題についてであります。 第一は、フロッピーディスクの使用についてです。 阿武町の誤振込問題で、町がフロッピーディスクを使用して、振込先のデータを金融機関に渡していたことが話題となりました。同時に、県においても、フロッピーディスクが使用されていると報じられました。幾つの県業務で、何枚のフロッピーディスクが使用されていたのか、お尋ねをしたいと思います。 また、今後、フロッピーディスクの使用をどのように見直していくのか、お尋ねをしたいと思います。 第二は、市町における内部統制方針の策定についてです。 県は、阿武町の誤振込事案を受け、五月三十日、各市町における内部統制体制の確保についてという文書を、県内市町に発出しました。 阿武町議会で、阿武町町有林が過少に管理していたことが指摘されております。阿武町は、大字宇田字水穴一〇六九九番の七の地籍を、八千九百三十三平米としています。 六月二日、同地の不動産登記簿は錯誤とされ、二十九万八千九百三十三平米に改められました。 阿武町が町有林を実際の三十分の一の面積で事務を執行したのであれば、住民に対して不利益を与えたと言えます。阿武町は、誤振込問題と合わせて、早急に内部統制方針を策定すべきです。 県内の市町での内部統制方針の策定状況をお示しください。阿武町は、早急に方針を策定すべきですが、お尋ねをしたいと思います。 第三は、上関原発についてであります。 中国電力は、二〇一九年六月、上関原発建設予定地の公有水面の埋立免許の期間を二〇二三年一月までとする申請書を提出し、県が許可いたしました。埋立てに関する竣功期限は来年一月六日です。 資料二を見てください。中電が四月二十五日に県に提出した、埋立てに関する工事の進捗状況報告書です。 中電は、これまでの進捗率、零%であるにもかかわらず、竣功予定年月日を来年一月六日としています。中電が残り半年余りで埋立てを完了することは到底困難ですが、県の見解をまずお尋ねします。 四月二十八日、中電の社長に就任することが内定した瀧本夏彦氏が、上関原発について、必要な電源であり、着実に進めたいと述べたと報じられています。 県は、埋立免許の期間伸長申請について、中電と協議しているのかお尋ねをします。 村岡知事は、二〇一九年七月、発電所の本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事を施行しないことを中電に要請しました。国のエネルギー基本計画に、原発の新設も明記されていないなどの状況から、今後も発電所本体の着工時期の見通しは到底つきません。 県は、たとえ中電から埋立ての期間伸長申請が出されても許可すべきではありませんが、お尋ねをしたいと思います。 第四は、自衛隊問題についてです。 国の経済財政運営の基本指針である骨太の方針が、六月七日、閣議決定されました。閣議決定された骨太の方針では、防衛力を五年以内に抜本的に強化するとの文言が新たに盛り込まれました。 陸上配備型ミサイル迎撃システムイージス・アショアは、秋田・山口への配備が破綻いたしましたけれども、それでも防衛省は、調達を決めたレーダーを艦船に搭載する検討を進めています。 艦船の建造費は一隻二千五百億円です。最新イージス艦より七百億円以上高い、差額で護衛艦が一隻買えるほどの大変高い兵器です。 北朝鮮の弾道ミサイルが従来のミサイル防衛網で迎撃不可能な水準まで達しているのに、国は従来のミサイル防衛に固執をし、イージス・システム搭載艦二隻を建造しようとしています。このことに対する県の認識をお尋ねします。 二〇二〇年十二月、防衛省は、イージス・アショアの配備について、再調査の結果を踏まえた再説明で、我が国の全域を最も効果的に防護できる配備先について、分析を行ったところ、山口県内の一部地域と秋田県内の一部地域との結果を得ていますと述べています。 検討が進むイージス・システム搭載艦が山口県内の一部地域に配備される可能性について、県はどう認識しているのか、お尋ねをしたいと思います。 第五は、カーボンニュートラル宣言についてであります。 五月三十日に行われた山口県環境政策推進本部第一回本部員会議で、環境生活部は、山口県地球温暖化対策実行計画(フレーム案)についてという資料を示し、現在、見直しを行っている県地球温暖化対策実行計画に、二〇五〇年の目指す将来像を新たに示すことを明らかにしました。 県地球温暖化対策実行計画で新たに示す二〇五〇年の目指す将来像とは、二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロを表明することだと思いますけれども、お尋ねをしたいと思います。 質問の第二は、県民の福祉増進に関する諸問題についてであります。 第一は、学童保育についてです。 先日、宇部市内の学童保育を視察いたしました。私の四人の子供がお世話になった学童保育、もっともっと県政の光を当てるべきだと痛感いたしました。幾つかの問題を指摘をいたします。 第一は、待機児童です。 昨年五月一日現在の、全国学童保育連絡協議会が行った調査で、都道府県別の学童保育数と入所児童数を見ると、山口県の待機児童は三百七十五名です。 入所児童に占める待機児童の割合は二・四%、これを全国比すると、一番悪いのが東京都、次が沖縄県、その次が同じ割合で宮崎県、ワースト三位が山口県です。 県は、この待機児童を減らす努力を行うべきです。まず、お尋ねします。 第二は、単独補助の創設です。 全国学童保育連絡協議会が行った調査で、都道府県の単独補助の状況を見ると、一、低所得者世帯に対する利用料の軽減措置、二、学童保育施設に対する単独補助、三、指導員の人件費に対する単独補助を行っている自治体が全国にあります。 県は、運営費に対する単独補助を行っていることは評価しますけれども、一、利用料の軽減措置、二、施設整備に対する補助、三、人件費に対する単独補助を新たに行うべきですが、お尋ねをしたいと思います。 第二は、障害者スポーツについてです。 山口県スポーツ推進計画は、障害者スポーツの推進として、障害のある人がスポーツに参加しやすい環境整備を促進するとしています。 先日、私は、県身体障害者福祉センターを視察をいたしました。一九七四年に竣工した同センターは、本県における障害者スポーツ振興の中核施設として十分な役割を果たしてきたことは、高く評価をしたいと思います。 しかし、一方、築四十七年が経過して、さらなる環境整備の必要性を実感いたしました。一つは、体育館にある二階のトイレの改修です。二つ目は、体育館の床を木材にすることです。 同センターがこれからも本県の障害者スポーツの拠点となるため、以上の二つの環境整備が必要だと思いますが、県の見解をお尋ねします。 質問の第三は、メガ発電施設に関する諸問題についてであります。 第一は、メガソーラーについてです。 先日、仁比聡平元参議院議員と共に、岩国市美和町で建設が進む太陽光発電施設を視察しました。住民の意向を顧みない事業者の姿を痛感いたしました。 二月県議会で、農林水産部長は、一、地元自治会への丁寧な説明、二、出水期に向けた防災施設の早期完成や適切な維持管理の徹底、三、水質検査の継続的な実施について、事業者に要請・指導したと回答しました。事業者は、県のこの指導を受けて、どう対応したのかお尋ねします。 森林法第十条三項に、県知事は事業者に対し、開発行為の中止を命じることができるなどの規定があります。事業者は、地元自治会への丁寧な説明をしようとしていません。県の指導に従わない事業者に対して、県知事の権限を行使すべきですが、お尋ねをしたいと思います。 第二は、風力発電についてです。 第一は、環境アセスメントに対する知事意見についてであります。 二月県議会で、平屋副知事は、事業の廃止や取りやめなどの表現は、事業の可否について言及したものと受け取られかねないことから、本県の知事意見には用いていないと答えました。 日本共産党山口県委員会が行った環境省との交渉の中で、森田紗世大臣官房環境影響評価課課長補佐は、環境影響評価法に基づき、事業が環境の保全に適正に配慮していないと判断した場合、県知事が事業の廃止に触れることは可能であると答えました。 今後、県は、環境アセスメントに対する知事意見について、他県同様、事業の廃止や取りやめを選択肢に含めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。 第二は、アブサンショウウオの保護についてであります。 (掲示)このパネルは、(仮称)阿武風力発電事業の計画地周辺で今年一月に撮影されたアブサンショウウオです。 今年一月、アブサンショウウオが特定第二種国内希少野生動植物種に追加されました。県は、アブサンショウウオの保護のため、事業者に対し、より一層の対応を求めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。 第三は、重金属による水質への影響についてであります。 昨年四月に行われた天井山風力発電事業(仮称)に係る環境影響評価方法書に対する県環境影響評価技術審査会において、ある委員から、計画地の地質は、開発により重金属が染み出る可能性がある、このため水質については、慎重にモニタリングするという姿勢が必要であると指摘がされています。 天井山風力発電事業(仮称)の計画地は、長門、美祢、宇部、山陽小野田市民の水源地です。県は、重金属による水質への影響について、事業者に対し、より一層の対応を求めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。 質問の第四は、土木行政に関する諸問題についてであります。 第一は、コンプライアンス要綱についてです。 土木建築部における収賄事案を受けて、県は、山口県建設工事等発注事務に関するコンプライアンス要綱の改正を行いました。 改正内容は、従来の、一、不当な働きかけ等について記録し、指名停止担当部局等に報告する、二、当該記録は、山口県情報公開条例の規定に基づく開示請求の対象とする、このことに加えて、必要に応じて働きかけの内容等を公表することを加えるものです。 私は、不当な働きかけ等の記録について情報公開請求を行いましたが、県技術管理課は、請求のあった内容の公文書は存在をしないと回答しました。しかし、県が五月二十日に公表した、職員への聞き取り調査では、OB職員や民間企業に部外秘の情報を要求されたことがあるとした職員は、土木建築部で三人、農林水産部で三人、企業局で一名、計七名でした。 これらの記録が残されていないことは、コンプライアンス要綱が機能していないことを示すものです。県は、不当な働きかけ等が記録されるように、コンプライアンス要綱のさらなる見直しを行うべきですが、県の見解をお尋ねします。 第二は、県営住宅についてです。 第一は、災害リスクのある地域への立地についてであります。 資料三は、県営住宅の災害リスクのある地域への立地状況です。 土砂災害特別警戒区域に立地しており、築年数が経過した周南市の慶万、山口市の宮野下、赤妻団地は、建て替えを行うべきですが、土砂災害特別警戒区域での安全対策についてお尋ねします。 洪水浸水想定区域高潮浸水想定区域津波災害警戒区域の全てに該当する団地が、県内七団地あります。これらについては、浸水対策を具体化すべきですが、水害の想定区域などでの安全対策について、お尋ねしたいと思います。 第二は、家賃算定の際のコロナ給付金等の収入への算入についてであります。 国や都道府県のコロナ支援の給付金、協力金が収入に加算され、公営住宅の家賃が引き上がる問題で政府は、日本共産党の山添拓参議院議員が提出した質問主意書への答弁書で、所得金額の認定に当たっては、公営住宅の事業主体の判断により、給付金の額を除くこととすることは可能であるとの見解を示しました。 県は、国や都道府県のコロナ支援の給付金等の額を県営住宅の家賃算定の基礎となる収入から除外すべきですが、お尋ねをしたいと思います。 第三は、パートナーシップ宣誓制度への対応です。 県は、パートナーシップ宣誓制度の受領書を持つカップルの県営住宅への入居を認めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。 質問の第五は、警察行政についてです。交番・駐在所の統廃合について質問いたします。 二〇一七年、県内に交番は七十か所、駐在所は百五十一か所、計二百二十一か所ありましたが、現在は交番六十七か所、駐在所が百三十七か所、計二百四か所と、この五年間で十七か所の交番・駐在所が減少しています。 交番・駐在所の統廃合に当たっては、住民の理解は不可欠だと考えます。現在、美祢署内で美東交番の新築に併せ、綾木駐在所と赤郷駐在所の美東交番への統合が提案されています。 このような中、五月三十一日、赤郷地区振興会は、赤郷駐在所存続の要望書を美祢警察署長に提出されました。赤郷地区から出された要望を受けて、赤郷駐在所を存続させるべきですが、県警本部長の見解をお尋ねして、第一回目の質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 藤本議員の御質問のうち、私からは、学童保育に関する待機児童についてのお尋ねにお答えします。 共働き家庭等の児童に対し、放課後等に適切な遊びや生活の場を提供し、その健全育成を図る放課後児童クラブは、仕事と家庭、仕事と子育ての両立を図る上で、大変重要な役割を担っています。 このため、私は、放課後児童クラブの確保・充実を図るため、運営に要する費用や受皿確保のための施設整備への補助を行うとともに、人材の確保・育成に向けた、放課後児童支援員認定研修などの取組を進めています。 しかしながら、共働き世帯の増加に加え、近年、特定の地域においては、新たな住宅地の造成等に伴う子育て世帯の転居などにより、放課後児童クラブの利用を希望する児童が、市町の予測を上回るスピードで増えており、待機児童が発生しています。 このため、実施主体である市町においては、定員の増大に向け、学校の余裕教室の活用や新たな施設整備などの取組が進められているところです。 こうした市町の取組が着実に進むよう、県としては、引き続き、施設整備に対する補助を行うとともに、早期の待機児童の解消に向け、小学校に隣接する施設の活用等、参考となる事例について、市町に対し、情報提供を行うなど、必要な支援を行ってまいります。 私は、今後とも市町と連携し、放課後等において、児童が安心して過ごせるよう、放課後児童クラブの確保・充実に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 小関商工労働部長。    〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) 補正予算に関する諸問題についての御質問のうち、県関与産業団地に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、産業団地造成の必要性についてです。 土地開発公社解散時において、産業団地の未分譲面積は約五十五ヘクタールありましたが、この十年間で分譲が進み、現在では、約十一ヘクタールになっています。この十一ヘクタールについても、企業からの引き合いがあり、今後も順調な分譲が見込まれています。 こうした企業ニーズに加え、今後もグリーン化やEV化、製造拠点の国内回帰などへの対応により、企業の設備投資は堅調に推移するものと考えています。 また、多くの企業から県東部地域に進出したいとの声も頂いていることなどを総合的に勘案して、このたび、光市に産業団地を整備することとしたものです。 次に、新しい産業団地には税金投入はせず、造成にかかった経費を企業負担とすべきとのお尋ねについてです。 まず、適地については、企業ニーズを踏まえ、インターチェンジに近く、一定規模の分譲面積の確保が可能なことや価格競争力のある産業団地となるよう、開発期間や費用の圧縮が可能な用地を選定したところです。 また、今後、調査や設計等を進める中で、事業費の圧縮に努めていくこととしており、現時点で補助金など、県の負担は予定していません。 ○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 補正予算に関する諸問題についてのお尋ねのうち、朝鮮学校に対する補助事業及び補助金に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助事業に、朝鮮学校が対象に入るかとのお尋ねです。 お示しの補助事業は、国の総合緊急対策の趣旨に沿って、子育て世帯の負担軽減を図るために実施するものであり、学校給食法等の趣旨から、給食に要する経費を保護者が負担しているかどうかなどの要件に従って判断することを想定しています。 次に、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助事業で、朝鮮学校を除外しないのであれば、朝鮮学校への補助金を復活すべきとのお尋ねです。 朝鮮学校補助金は、県民との相互理解の増進を目的として交付してきたものであり、今般の学校給食費等に係る補助とは趣旨を異にするものです。 この補助金については、朝鮮学校をめぐる様々な状況を総合的に勘案し、現時点では、補助金の支給は県民の理解を得られないと判断しており、補助金を予算計上することは考えておりません。 次に、自衛隊問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、イージス・システム搭載艦の建造についてのお尋ねですが、国の防衛政策に関する事柄であり、その必要性については、国において判断されるべきものと認識しています。 次に、イージス・システム搭載艦の運用についてのお尋ねですが、現在、国において検討が続けられているものと承知しています。 ○議長(柳居俊学君) 松岡総合企画部長。    〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 ◎総合企画部長(松岡正憲君) 阿武町での誤振込事案に関する諸問題についての御質問のうち、フロッピーディスクの使用についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、幾つの県業務で、何枚のフロッピーディスクが使用されていたのかとのお尋ねですが、公金の支払いや県税の口座振替業務など、八業務において約八十枚のフロッピーディスクを金融機関等とのデータ受渡しに使用しています。 次に、今後、フロッピーディスクの使用をどのように見直していくのかとのお尋ねです。 フロッピーディスクの使用については、既に昨年度から関係機関と見直しの協議を行っておりまして、専用回線を利用する方法に切り替えることを基本として、検討を進めているところです。 次に、市町における内部統制方針の策定に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、県内市町の策定状況については、現時点で策定している市町はありません。 次に、阿武町は早急に方針を策定すべきとのお尋ねです。 阿武町の誤振込事案を受け、同様の事案を二度と起こさないよう、先般、県内市町へ改めて、内部統制体制の確保に関する通知を発出し、財務に関する事務等の適正な管理及び執行の確保について、徹底を図ったところです。 地方自治法に基づく内部統制方針の策定については、市町は努力義務とされていますが、県としては、阿武町に対し、引き続き適正な事務執行の確保に向けて、必要な助言等を行ってまいります。 ○議長(柳居俊学君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 上関原発についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、来年一月六日の竣功期限まで、半年余りで埋立てを完了することは困難ではないかについてです。 竣功期限に向けて、どのように対応するかは、事業者において判断されるべきものと考えています。 次に、県は、埋立免許の期間伸長申請について、中電と協議しているのかについてです。 埋立免許の期間伸長申請に関し、中国電力との協議はしていません。 次に、今後も、発電所本体の着工時期の見通しはつかないことから、中電から埋立ての期間伸長申請が出されても、許可すべきではないとのお尋ねです。 公有水面埋立法において、許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、期間伸長許可の可否について、現時点では判断できる状況にありません。 県としては、申請がなされた場合には、その時点において、公有水面埋立法に従って厳正に審査し、適正に対処します。 次に、土木行政に関する諸問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、コンプライアンス要綱について、さらなる見直しを行うべきではないかについてです。 県では、このたびの収賄事案を受けて、本年四月、速やかに関係職員を対象に研修を実施し、お尋ねの記録も含め、不当な働きかけへの対応などを定めた要綱の再徹底と綱紀の粛正を図ったところです。 また、五月には、技術職員への聞き取り調査の結果も踏まえ、職員研修の充実や入札制度の見直し等を行うこととし、あわせて、働きかけの内容等を公表する旨の要綱の改正を行い、その遵守を関係職員に通知したところです。 県としては、今後、このような事案が二度と起こらないよう、こうした取組により、コンプライアンスのより一層の徹底を図ることとしており、要綱のさらなる見直しは考えておりません。 次に、県営住宅についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、災害リスクのある地域への立地についての二点のお尋ねのうち、土砂災害特別警戒区域での安全対策についてです。 県では、土砂災害特別警戒区域内に立地している県営住宅について、入居されている方々の安全対策として、土砂災害ハザードマップを周知するとともに、区域外への住み替えを認めるなどの対策を講じているところです。 お示しの三団地については、鉄筋コンクリート造となっていることなどから、土砂災害リスクに対し、一定の安全性が確保されており、また、建物が健全な状態を保っていること等から、現時点で建て替えを行うことは考えていません。 次に、水害の想定区域での安全対策についてです。 洪水などの浸水想定区域等については、想定し得る最大規模の降雨などによる浸水の深さ等を示したものであり、浸水対策として、河川改修などのハード整備を実施しているところですが、それだけでは限界があることから、ソフト面での対応が重要と考えています。 このため県では、お示しの七団地を含め、浸水が想定される区域に立地する県営住宅について、入居されている方々の的確な避難行動につなげるため、洪水等のハザードマップの周知等により、対策を講じているところです。 次に、給付金等の額を県営住宅の家賃算定の基礎となる収入から除外すべきではないかについてです。 県営住宅の家賃は、公営住宅法に基づき、立地や間取り等に加え、サラリーマンの給与収入や個人事業主の事業収入など、入居者の収入に応じて、個々に県が定めるものとされています。 一方、国の持続化給付金や、県・市町の協力金は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支援するために給付されるものであり、税務上、事業による収入を補填するものとして、売上げとともに収入に算入され、課税対象とされているところです。 このため県では、これらの給付金や協力金は、事業収入と同等のものとみなせることから、家賃算定の基礎となる収入から除外することは考えていません。 次に、パートナーシップ宣誓制度の受領書を持つカップルの県営住宅への入居を認めるべきではないかについてです。 国において、現在、性的マイノリティーに関する法制度が議論されていることなどから、県としては、こうした国の動向を見守っているところであり、現時点で、県営住宅への入居を認める制度を導入することは考えていません。 ○議長(柳居俊学君) 藤田環境生活部長。    〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 ◎環境生活部長(藤田昭弘君) まず、カーボンニュートラル宣言についてのお尋ねにお答えします。 本年度中に改定することとしている県地球温暖化対策実行計画において、二〇五〇年の目指す将来像を新たに記載する考えを示しましたが、その具体的な内容については、お示しできる段階にありません。 また、お尋ねの二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロの表明については、改定計画や現在策定中のコンビナート低炭素化構想などの検討状況を踏まえるとともに、脱炭素化に係る企業や県民の理解と積極的な参加を得られるような取組を進めながら、慎重に判断したいと考えています。 次に、メガ発電施設に関する諸問題についての御質問のうち、風力発電についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、知事意見に、事業の廃止や取りやめを選択肢に含めるべきとのお尋ねです。 環境影響評価は、事業の可否を問うものとは位置づけられていないことから、本県では、これまでも事業の廃止や取りやめなどの表現を用いていないところであり、今後も環境保全の見地から、適切な知事意見を述べてまいります。 次に、アブサンショウウオの保護のため、事業者に対し、より一層の対応を求めるべきとのお尋ねです。 阿武風力発電事業に係る環境影響評価の知事意見において、アブサンショウウオをはじめとした各種希少生物への影響の回避・低減を求めているところです。 次に、重金属による水環境への影響について、事業者に対し、より一層の対応を求めるべきとのお尋ねです。 天井山風力発電事業に係る環境影響評価の知事意見において、地層・地質や集水域に係る知見を収集し、水質等への影響を回避・低減するよう求めているところです。 ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 県民の福祉増進に関する諸問題の御質問のうち、まず、学童保育に係る単独補助の創設についてのお尋ねにお答えします。 お示しの利用料の軽減措置については、実施主体である市町において既に取組が進められており、また、施設整備や人件費の補助については、国庫補助制度が整備されていることから、県として単独補助事業の創設は考えていません。 次に、障害者スポーツについてのお尋ねにお答えします。 お示しのトイレ等を含め、県身体障害者福祉センターの施設設備については、これまで優先順位をつけ、順次、修繕・改修してきたところであり、今後も、老朽化の状況などを考慮しながら、計画的に修繕等を進めてまいります。 なお、体育館の床につきましては、関係団体からの要望を踏まえ、平成二十九年度に、転倒時の安全性に配慮した床材に改修したところであり、さらなる改修については考えていません。
    ○議長(柳居俊学君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) メガ発電施設に関する諸問題についての御質問のうち、メガソーラーについての二点のお尋ねにお答えします。 まず、県の指導に対する事業者の対応についてです。 県が事業者に行った要請・指導のうち、地元自治会への丁寧な説明について、事業者からは、地元自治会から直接要請があった場合、説明会の開催の必要性等を判断し、対応されると聞いています。 また、出水期に向けた防災施設の早期完成や適切な維持管理の徹底については、現在、全ての洪水調整池が完成するとともに、しゅんせつ等の維持管理が適切に行われていることを確認しています。 さらに、水質検査の継続的な実施については、四月に、地元立会いの下、事業者において実施したと報告を受けており、また今後においても、工事期間中は継続して実施予定であることを確認しています。 次に、県の指導に従わない事業者に対する県知事の権限の行使についてです。 県は、事業者が許可条件に従い、防災工事の先行実施や防災施設の維持管理などを適切に行っていることを確認しています。 開発行為が許可条件に従って実施されている限り、県は開発行為の中止等を命じることはできません。 なお、現時点において、当該開発許可地においては、事業者が県の指導に従っていないとの認識はございません。 ○議長(柳居俊学君) 中西警察本部長。    〔警察本部長 中西章君登壇〕 ◎警察本部長(中西章君) 交番・駐在所の統廃合についてお答えします。 交番・駐在所につきましては、地域住民の皆様の御理解を得ながら、地域の安全・安心確保の活動拠点として、効率的に機能するよう、人口、交通量、事件・事故の発生状況など、治安情勢や社会情勢を総合的に勘案し、建て替えや統廃合の検討を進めているところです。 県警察では、現在、令和七年度を目途に、美東交番の建て替えを計画しており、建て替え後の運用開始とともに、赤郷駐在所と綾木駐在所を美東交番に統合することを計画しておりますが、これまでと同様に、地域に密着した街頭活動を推進するなど、安全・安心の確保に努めてまいります。 今後とも、治安情勢や社会情勢を総合的に勘案し、地域住民の皆様に丁寧な説明を行い、御理解と御協力を得て、限られた警察力を適正に配分することで、地域の安全と安心を確保することを最優先に、検討を進めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 藤本一規君。    〔藤本一規君登壇〕(拍手) ◆(藤本一規君) それでは、再質問を行ってまいります。 まず、産業団地についてです。 やっぱり二井知事の不徳の致すところ、確実なニーズの見通しがないのに新しい団地を造成すべきではない、この答弁を今、全県が重く受け止めなければならないというふうに思います。 今、部長から、ニーズの見通しについて、グリーン化・EV化、製造拠点の国内回帰等言われましたけれども、やっぱり一般的に、一般論だと言わなければなりません。全国の競争の中で、山口県の団地に確実なニーズがあるとの説明は不十分だと言わなければなりません。 そして、さらに、今議会で本年度第二期事業をどこで進めるべきか調べるとも言われたわけです。防府の民間団地も含めて、県内には五十五・八ヘクタールの産業団地が未分譲です。なぜ、今年度から光市に八ヘクタールの産業団地を造成するのか、その上でまだ第二期団地もなぜ検討に入るのか、県の確実なニーズの見通しについて、再度、お尋ねしたいと思います。 さて、第一質問で、県関与団地に地元四割、県四割の土地取得補助金を事業者に補助したと、事業者はつまり八割引き、二割の負担で用地が買えたわけです。この団地取得補助金、何件補助したのか、本来の用地取得費は幾らだったのか、県と市でどれだけ補助したのか、実際に企業負担は幾らだったのか、お尋ねします。 朝鮮学校についてです。 私の最初の質問に、ちょっと明確な答弁がありませんでした。要するに、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助事業の対象に朝鮮学校を入れるのかどうかという点について、再度お尋ねします。明確な答弁をお願いします。 そして、二〇〇六年四月、県弁護士会は山口県に朝鮮学校への補助金増額の要請を行いました。 その理由は、二〇〇四年、示した、二月県議会で採択された、国連勧告を尊重し、外国人学校・生徒への処遇改善を求める意見書にある二〇〇四年の国連の子ども権利条約委員会の勧告などが背景になっているものです。 県は、この県弁護士会の要請にどう答えたのか、お尋ねをしたいと思います。 フロッピーの問題ですが、ちょっともう一点、ちょっと突っ込んで聞きたいと思うんですけれども、八事業、約八十枚のフロッピーを使っていると、県庁で使っているということですが、具体的に、八業務とは何か。何課か、業務ごとに何枚のフロッピーを使っているのか、その内訳についてお示しください。 さて、イージス・システム搭載艦についてですけれども、中国四国防衛局が主催した、イージス・アショアに係る経緯に関する地元説明会に私も参加して、手を挙げて質問いたしました。 極超音速滑空弾をイージス・システム搭載艦が捉えることができるのかと、私、質問しましたら、防衛省の整備計画局の担当者が、極超音速滑空弾への対応については、防衛省で現在検討を進めているところだと答えました。 また、北朝鮮は最近複数のミサイルを同時、連続的に発射する飽和攻撃を想定した訓練を行ったという報道もあります。 総じて、国のミサイルシステムは、極超音速兵器や飽和攻撃を捉えることが可能だという認識なのかどうか、再度、お尋ねしたいと思います。 次は、原発問題についてであります。 上関町が町議会で原発の誘致を進めますと言ったのが、一九八二年の六月二十九日、ちょうど四十年の歴史を重ねたことになります。この歴史の重さを私たちは感じなければならないというふうに思います。 資料で示した、中電の埋立てに関する工事の進捗状況に、令和三年度、何で工事が進まなかったのかという理由が書かれています。皆さん、読んでください。 平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、当社は三月十五日から、予定地における準備工事を中断していると。私が見た範囲、去年のもおととしのも全く同じ文言であります。 中電は、二〇一九年六月十日に、三年六か月延長すると、四度目の伸長申請を県に出して、県は許可しているわけです。中電が二〇一一年三月十五日から準備工事を一時中断している状況が続いているなら、埋立工事が二〇二三年一月に竣功できるわけがありませんし、たとえ中電が、今後、期間伸長申請を行っても竣功できる見通しがない、その論拠を、二〇一一年三月、福島第一原発事故に求めているからです。 この、見通しが立たないような、この中電の工事に対して、県の見解をお尋ねします。中電が進まない論拠を、東日本大震災、あの事故に求めていることをどう考えておられるか、お尋ねしたいと思います。 そして、国が策定した重要電源開発地点に関する規程の問題です。 重要電源開発地点の要件の一は、電気事業者の供給計画に記載がされているとあります。 最近ちょっと公表してないんですが、二〇一九年に中電が公表した供給計画、これは上関原発は着工・営業運転開始年月が未定とされています。五に、電力需給対策上重要な電源であるとありますが、電力広域的運営推進機関が発表した、二〇二二年度供給計画の取りまとめというのがあります。 十年先の見通しも立っているんですけれども、中国エリア、二〇三一年、需要電力見込みが千三十四万キロワット、二〇三一年の供給見通しが千二百五十五万キロワットとあります。 中国エリアでは、供給過多なんです。中国エリアでは、上関原発の必要性は、この資料から、ないと言わざるを得ません。今日的な、私も見ることができる数字でも、上関原発は重要電源開発地点の要件を満たしていないと言わなければなりません。 県は、上関原発は重要電源開発地点の指定が引き続き有効として土地需要がある、だから、延長を許可してきましたけれども、私は、上関原発は重要電源開発地点の要件を満たしていないと考えますが、県の見解をお尋ねします。 次は、メガソーラーについてであります。 新聞報道にも出ておりましたけれども、岩国市と事業主である合同会社東日本Solar13、アール・エス・アセットマネジメントが、美和町のメガソーラーの事業に対して、五月の二十七日に、環境保全等に関する協定書を交わしました。 この中に、県が行った林地開発許可に関する記述が出ています。県は、この契約書締結に当たり、事前に相談は受けたのか、県はこの契約書の履行のためにどのような役割を果たそうとしているのか、お尋ねしたいと思います。 さて、県営住宅の問題についてお尋ねします。 一九六一年、建設省建設局長通知、公営住宅法施行令第一条第三号の収入認定の特例についてでは、一時的な収入に該当するものは、所得金額の認定に当たって額を除くことは可能とされています。今回の政府の答弁書は、この一時的な収入に持続化給付金等を入れてもいいということなのであります。 私は、この間、中国、四国、九州十八県に対応を聞きました。複数の県が、持続化給付金等が一時的な収入に該当するかどうか審査している、この答弁書に基づいて、ちゃんと審査すると言っておりました。また、鳥取県、大分県は検討中というふうに言っておりました。 山口県は、今月から、入居者から提出された申請報告書に基づいて、十月に来年度の家賃を決めるわけです。入居者から持続化給付金などが示された場合は、一時的収入と算定して、家賃収入の算定から除外をすべきですが、お尋ねをして、二回目の質問といたします。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 小関商工労働部長。    〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) 産業団地に関する再質問にお答えします。 先ほど答弁しましたとおり、グリーン化やEV化、製造拠点の国内回帰などへの対応により、企業の設備投資は堅調に推移するものと考えています。 お尋ねの本県固有のニーズについてですが、本県の基幹産業である輸送用機械関連産業は、特に自動車産業において、北部九州、広島と合わせて、その国内における一大生産集積地を形成しており、EV化の大きな流れを目の当たりにしている産業です。 また、製造拠点の国内回帰などの動きを受けて、世界市場が急拡大している半導体産業においても、特に、半導体製造装置に関連する企業が本県には多く立地しています。 個々の案件を詳細に申し上げることはできませんが、実際に、こうした関連企業から、県東部地域を中心に、新たな拠点整備に向けたお問合せを数多く頂いているところです。 さらに、本県では、医療や医薬品関連産業も集積しています。これらの関連企業等から、本県の自然災害の少なさといった利点から、リスク分散の観点で新たに製造拠点を設けたいとのお問合せも頂いております。 こうした本県独自の具体的な企業ニーズの状況を踏まえ、新たな産業団地の整備に取り組みたいと考えております。 次に、産業団地取得補助金の適用状況についてです。 実績でございますが、平成二十四年以降で、実績が、件数が三十三件、それから企業の用地取得額が約七十二億七千四百万円、それから県の補助金が四十六億五千百万円、すみません、ちょっと間違えました。    〔発言する者あり〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) (続)ああ、そうです。企業の用地取得額です。企業の用地取得額が七十二億七千四百万円。    〔発言する者あり〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) (続)企業のです。それから、県の補助金が約二十八億六百万円、市の補助金は県と同率に四〇%ですので、二十八億六百万円、それから企業の負担額が十六億六千万円というふうになっております。 ○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 朝鮮学校に対する補助事業及び補助金についての二点の再質問にお答えします。 まず、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助事業に朝鮮学校が対象に入るかとの再度のお尋ねです。 お示しの補助事業は、国の緊急対策の趣旨に沿って、子育て世帯の負担軽減を図るために実施をするものです。 実際に補助の対象となるかどうかは、学校給食法等の趣旨から、給食に要する経費を保護者が負担しているかなどの要件に従って判断をするということを想定しております。 次に、平成十八年の弁護士会からの要請の対応についてのお尋ねでございます。 お示しの要請につきましては、特段回答を求められているものとは認識をしておりませんで、県としての対応はしておりません。 ○議長(柳居俊学君) 松岡総合企画部長。    〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 ◎総合企画部長(松岡正憲君) 二点の再質問にお答えします。 まず、フロッピーディスクの使用について、具体的に使用している所属、枚数、業務内容についてのお尋ねです。 公金の支払い業務等で会計課が三十四枚、また口座振替業務で税務課が二十枚、こども家庭課が四枚、住宅課が十四枚、教育政策課が二枚、また給与関係業務で給与厚生課が五枚のフロッピーディスクを金融機関等とのデータ受渡しに使用しております。 次に、レーダー搭載艦の建造についてですけれども、お尋ねの内容につきましては、国の防衛政策に関する事柄であり、国において判断されるべきものと認識しております。 ○議長(柳居俊学君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 上関原発についての再質問にお答えします。 お示しの進捗状況報告書の記載は、工事の状況を述べたものであり、現時点、埋立工事に先立って実施しなければならない海上ボーリング調査を実施していないことから、工事は進捗していないものと考えております。 公有水面埋立法において許認可をする場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、申請書が提出されていない時点では、延長許可の可否について判断できる状況にありません。 県としては、申請がなされた場合には、その時点において、公有水面埋立法に従って、厳正に審査し、適正に対処いたします。 次に、県営住宅の家賃算定についての再質問についてお答えします。 国は、持続化給付金等を一時的な収入として取り扱うことは可能とするが、あくまでも事業主体の判断によるものという見解を示しています。 お示しのコロナ給付金等については、事業の継続を支援するために給付されるもので、売上げとともに収入に算入され、課税対象とされているところです。 このため県では、これらの給付金等は事業による収入を補填するものとして事業収入と同等のものとみなせることから、家賃算定の基礎となる収入であると考えており、したがいまして、収入から除外することは考えておりません。 ○議長(柳居俊学君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発に関する再質問のうち、重要電源開発地点の指定要件についてのお尋ねにお答えします。 重要電源開発地点の指定要件に適合しているかどうかにつきましては、国が判断するものです。そして、国からは、上関原子力発電所に係る重要電源開発地点指定は、引き続き有効であり、事情の変化がない限り解除することは考えていないとの見解が示されていますので、県としましては、上関原発については、重要電源開発地点の指定要件に適合していると国が判断していると受け止めております。 ○議長(柳居俊学君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) メガソーラーについての二点の再質問にお答えします。 まず、岩国市と事業関係者でこのたび結ばれた環境保全に関する協定について、県は事前に相談とかあったかということでございますが、市からの要請によりまして、県内の他地域における事例について、情報提供はしておりますが、事前に相談等は受けておりません。 また、お尋ねのこの協定について、県の履行についてですが、県はどのような役割を果たすのかという御質問についてですが、お尋ねの協定については、あくまで岩国市と事業関係者が必要と考えて締結されたものであり、その履行については、当事者間で責任を持ってなされるものというふうに受け止めております。 県としましては、あくまでも林地開発許可権者として、当該開発地域において適切な開発行為が行われるよう、森林法に基づき、引き続き事業者を指導してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 藤本一規君。    〔藤本一規君登壇〕(拍手) ◆(藤本一規君) 再々質問を行いたいと思います。 産業団地、団地取得補助金です。 かかった用地経費が七十二億あって、企業は結局、二割の十六億円しか出していない、差額の五十六億円、公費を県と市で投入したということです。全国にあまり例はありません。今後、このような用地取得費補助、慎むべきですが、お尋ねします。 それで、産業団地の特別会計の議案を見ると、歳入として、財産収入のほかに、県債、負担金及び一般会計繰入金、それらとか、歳出についても県債等々と書かれています。 この費目を見ると、歳入として財産収入が不足した場合、歳出である団地造成費が賄えず、歳入不足を穴埋めすることを前提として、特別会計、歳入に県債、負担金、一般会計繰入金等を明記したものではないのか、再度確認をしておきたいと思います。 朝鮮学校については、審査するのは当然ですが、要するに、この高騰差額補助事業についての入り口として、朝鮮学校は除外しないのか、お尋ねしたいと思います。 県弁護士会の要請について対応しなかったと言うけれども、県は、二年後、二〇〇八年に補助金を、単価上げておられます。やっぱり補助金は再開すべきですが、お尋ねします。 最後に、社長さんが中国電力代わって、株主総会で決まって、知事さんに必ず会いに来られると思います。瀧本新社長から七月上旬までに知事が面会されたときに、上関原発の埋立ての延長という話が出れば、知事は何と答えるのかお尋ねして、質問を終わります。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 小関商工労働部長。    〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) 産業団地に関する再々質問に、まとめて御回答いたします。 今回の産業団地の整備につきましては、まず、適地の選定について、価格競争力のある産業団地となるように開発期間や費用の圧縮ができるような用地を選定したというところでございます。 また、今後、調査や設計等を進める中で、事業費の圧縮に努めていくこととしておりまして、現時点では、補助金など県の負担は予定していないという状況でございます。 基本的には、かかった経費を企業のほうの売却収入で賄うということをしておりますので、全体として県の費用は入れずに、運営していくということを考えているというところでございます。 ○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 朝鮮学校に対する補助事業及び補助金についての二点の再々質問にお答えします。 まず、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助事業、これを入り口として朝鮮学校を除外しないのかとのお尋ねでございます。 入り口として除外するものではございませんが、実際に、補助の対象となるかどうかは、先ほども御答弁しましたけれども、学校給食法等の趣旨から、給食に要する経費を保護者が負担しているかなどの要件に従って判断をするということを想定しています。 それから、平成二十年度に補助金単価を値上げした過去も踏まえ、補助金を再開すべきではないかとのお尋ねでございます。 お示しの単価の引上げでありますけれども、当時の全国の助成状況などを踏まえたものであります。県としましては、国際条約などが求めます、子供の人権や学ぶ権利につきましては、尊重すべきものと考えておりますが、朝鮮学校をめぐる様々な状況を総合的に勘案し、現時点では、補助金の支給は県民の理解を得られないとの判断に変わりがないことから、補助金を予算計上するということは考えておりません。 ○議長(柳居俊学君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発に関する再々質問にお答えいたします。 中国電力の新社長の人事につきましては、今月二十八日に開催予定の株式総会で決定されると聞いており、新社長が就任の挨拶に来庁されるかどうかは未定です。 また、来庁された際に、公有水面埋立延長申請の話題があるかどうかにつきましては、仮定の御質問でもありますことから、お答えは差し控えさせていただきます。 ○議長(柳居俊学君) 高井智子さん。    〔高井智子さん登壇〕(拍手) ◆(高井智子さん) 皆様、こんにちは。自由民主党の高井智子です。このたび、歴史と伝統ある山口県議会の一員に加えていただき、一般質問をさせていただくこととなりました。この機会を与えてくださいました県民の皆様に感謝申し上げますとともに、御指導いただきました、柳居議長、二木副議長をはじめ、先輩議員の皆様、執行部の皆様にも感謝の気持ちを込めて、全力で取り組ませていただきたいと思います。 緊張しており、お聞き苦しい場面も多々あろうかと思いますが、どうか温かいお気持ちでお付き合いくださいますよう、お願いいたします。 初めに、地域防災に関する取組についてお尋ねいたします。 出水期に入り、防災への備えが一段と必要となる季節となりました。線状降水帯の発生や、それに伴うゲリラ豪雨などの影響により、河川の氾濫や決壊による災害が全国各地で毎年のように発生していますが、そうした報道を目にするたびに、我が町のこととして備えなければならない、地域防災力を高めていかなければならないと強く考えさせられます。 地域防災とは、一言で言うと、地域の実情に合わせた防災を行うことであり、本県においても、地域防災計画を策定し、風水害や大規模な火災・重大事故などへの対策、地震災害への対策、原子力災害への対策などについて細かく記載され、それを基に各市町、各地域がそれぞれに計画を作成しています。 地域防災には、いわゆる自助・共助・公助の、防災の三助という言葉がありますが、このうち共助とは、町内会や小学校の区域内など、顔見知り同士の地域で助け合って災害を乗り切るという考えであり、自助でも公助でも対応できない部分を共助で賄うというものです。 私は、この共助の力を高めることが、本当の意味で地域防災計画の効果を地域に落とし込むために重要なことと考えます。 私の地元でも、自主防災組織による避難訓練などが活発に行われていますが、県においては、現在も取り組まれている防災士による地域活動や、学校と連携した防災教育を一層充実させていく必要があると考えます。 地域防災力を高めるために、もう一つ重要なのは、災害に強いまちづくりです。 住宅の耐震化や不燃化が進み、町の基盤である街路を救急車や消防車がいつでも活動できるように整備され、地域の人々が避難や救助活動するための公園・広場が確保され、貯水槽、トイレなど防災設備が整備されているような町、そんな町が災害に強い町と言えると思います。 少し例を挙げますと、東京都墨田区の向島地域では、地域と行政が連携して、公園整備や防災広場の設置を進め、路地の行き止まりをなくし、建て替えの際に建物を後退させて街路を拡幅していく道路整備などを行っています。 また、防災広場には防火用具庫や貯水槽も備え、雨水を地下に貯蔵し、日常用水や災害用水に使用できるように工夫されています。 こうして整備された広場や拡幅された道路は、平時では、盆踊りや祭りの会場にも利用され、地域を一つにする場づくりにもなっているそうです。こうした町のハードが、地域防災のソフト力を高めていくことにもつながっていくのだと考えます。 前回の南海トラフ地震から七十年以上が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性は高まっており、広域大規模災害の発生も、県としては現実的な課題として捉えておかねばなりません。 こうしたまちづくりは、地域や市町が主体となって推進していくこととは思いますが、広域自治体である県においても、地域防災力を高める災害に強いまちづくりをしっかりと後押しすることが、県全体の地域防災力を高めるために必要ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。県においては、年々激甚化する災害や今後の大規模災害に備えるため、地域防災力の強化についてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、アウトドアスポーツツーリズムの推進についてお尋ねいたします。 コロナ禍でも、三密を回避して屋外で楽しむことができるアウトドアスポーツやキャンプが、性別、年齢を問わず、幅広い層から人気を集めています。 県では、豊かな自然環境を有する本県の強みを生かし、キャンプとアウトドアアクティビティーを結びつけた、アウトドアスポーツツーリズムの推進に取り組んでおられます。 家族連れや友人同士でキャンプを楽しむケースが増えており、時間の過ごし方として、自然の中で、大勢で気軽に楽しめるアウトドアアクティビティーは人気があります。 全国的にも観光地として有名な、角島近辺のエメラルドグリーンの美しい海では、シーカヤックや、専用ボートに乗ってパドルでこぎ進むウォータースポーツ、SUPを、また、秋吉台の雄大なカルスト大地の中では、トレッキング、ハイキング、サイクリングなどを気軽に楽しむことができます。 近くのキャンプ場にとっては、こうしたアクティビティーはなくてはならないものだと伺っています。 一方、私の地元の宇部市にはキワ・ラ・ビーチという場所があり、干潮時には日本有数の広大な砂洲が現れ、大変美しい景観を見ることができます。 条件が満たされたときには、ウユニ塩湖のようなリフレクション撮影や、だるま朝日など、幻想的な写真を撮れることでも人気のスポットです。海水浴に加え、カイトボードなどのマリンスポーツを楽しみに来られる方もあります。 非常に魅力のある場所ですが、残念ながら、角島や秋吉台に比べると、まだ多くの方に知ってもらえていないのが現状です。 県内、こういった場所はまだたくさんあると思います。地元のことをよく知る市町や、アウトドアスポーツに精通した関係団体と連携し、こうした魅力的な場所の掘り起こしに加え、その場所で楽しめるアクティビティーなどの整備を通じて、その魅力をさらに磨き上げていくことも重要だと思います。また、こうした魅力をしっかり情報発信していかねばなりません。 キャンプ場利用者の多くが、SNSなどで情報収集をする二十代から五十代の方です。本県の美しい自然の姿は写真や動画で、世界中の誰もが手軽に見ることが可能なSNSで発信することが効果的ではないでしょうか。 インフルエンサーの方の発信力をお借りしたり、アクティビティーの魅力を熟知した民間事業者からも積極的に情報発信し、誘客促進につなげていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。本県の豊かな自然環境を生かしたアウトドアツーリズムの推進について、市町、関係団体や民間事業者と連携し、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、次世代モビリティーサービスの推進についてお尋ねいたします。 私は、約三十年前に京都から嫁いでまいりましたが、当時の京都市内やその近郊では、公立中学校の修学旅行の行き先のほとんどが広島県や山口県であり、私自身も中学の頃に、修学旅行で山口県を訪れています。 移動中のバスから見た巨大なパラボラアンテナ、秋芳洞、秋吉台、萩城下町散策、萩焼絵つけ体験、下関から門司をつなぐ関門大橋、四十年以上前のことですが、今でも鮮やかな思い出として心に残っています。 私と同じような方々が、当時の思い出を胸に、旅行者として再び山口県を訪れるケースも多いのではないかと思います。しかし、バスツアーではなく、公共交通機関等を乗り継ぎ、個人で県内の名所を回られる場合は、大変苦労されるのではないでしょうか。 私の地元の宇部市においても、ときわ公園、小野の茶畑や小野湖、吉部の棚田や荒滝山からの風景など、美しい公園やすばらしい景色に恵まれ、多くの方に訪れていただきたい場所がありますが、公共交通機関の乗り継ぎなどの面で課題があるとの声をよく耳にいたします。 また、産業面においては、県内最大規模の多目的ホールを備えた、KDDI維新ホールなどを有する、山口市産業交流拠点施設が、令和三年四月から供用されていますが、アフターコロナの時代に向けて、今後、各種イベント開催などの動きが活発化し、県内外からの来訪者が増加することが見込まれます。 そこから県内各所へと移動していただき、産業や経済への波及効果を高めていくには、新山口駅を拠点とした各地域へのアクセスが課題となってくることでしょう。 分散型の都市構造を持つ本県においては、様々な魅力を持つ各地域をスムーズに往来できるよう、二次交通のさらなる充実を図っていくことが必要だと思います。 このような中、県では、県内広域での回遊性向上による、さらなる観光振興や交流人口の拡大に向け、新たなモビリティーサービスであるMaaSの導入、移動手段と多様なサービスを組み合わせた新たな価値を創出するビジネスモデルの構築に、積極的に取り組んでおられると承知しております。 さきに申し上げた、課題の解決に向けては、この取組を新たなビジネスとして、しっかりと地域に定着させ、全県的な取組へと展開させていく必要があると思います。 そうすることで、例えば、現在の拠点である新山口駅だけでなく、本県の空の玄関口である山口宇部空港などについても、今後、MaaSの取組の拠点となり得るのではないでしょうか。 地元議員としても大変期待しており、県内全域とのアクセス面での連帯をより一層深め、本県産業のさらなる発展につなげていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねいたします。令和二年度にスタートした次世代モビリティーサービスのさらなる推進に向けて、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、県内中小企業のイノベーションの創出についてお尋ねいたします。 依然として収束のめどの立たない新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、カーボンニュートラルへの対応や半導体不足によるサプライチェーンの強化、さらにはロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の高騰など、中小企業の事業環境は厳しさを増しています。 こうした状況にさらされ、企業は大変な時期を迎えていますが、一方で、テクノロジーの進展や産業構造の変化、価値観の多様化など、急速な勢いで事業環境が変化する状況の中には、大きなビジネスも隠れているのではと考えます。 苦しい中でも、時代のニーズをしっかりと捉えた付加価値の高い製品等を新たに生み出す、またそれにつながる研究開発を行うなど、新たなイノベーションの創出に向け取り組むことは、企業の持続可能な経営の実現、さらなる成長のための鍵とも言えます。 県では、医療、環境・エネルギー、バイオ関連分野の育成・集積や水素利活用の推進、宇宙利用産業の振興など、企業や大学等も連携し、本県の強みや特性を生かしたイノベーション創出に取り組み、多くの案件を事業化につなげるなど、成果を上げておられます。 これらの取組を評価するとともに、県内中小企業の成長に向けて、さらなる取組をお願いしたいと考えております。 私の地元宇部市でも、篠﨑市長の下、昨年四月に、宇部市成長産業推進協議会が設置され、産学公金が連携し、医療・健康関連や環境・エネルギー関連のほか、宇宙産業やDX、バイオなどの次世代技術関連の三つの成長産業の創出・育成と雇用の場を創出する企業誘致などの取組が進められています。 市民の憩いの場でもある、ときわ公園を、新たなビジネス創出の実証フィールドとして活用する意欲的なプロジェクトの実施など、企業の取組を支援できる大学等が立地する環境を生かした、まさに宇部ならではの取組が進められており、私も今後の展開に大いに期待しているところです。 県においては、これまで培われてきたノウハウやネットワークを生かしながら、企業のイノベーション創出をしっかりと下支えするとともに、宇部市の取組のようにイノベーション創出に向けた新たな動きとも連動し、相乗効果の創出を目指すなど、地域の強みや特性を生かした多様なイノベーション創出に向け、取組を強化していただきたいと考えます。 そこでお尋ねいたします。県内中小企業のイノベーション創出に向け、どのように取り組んでいかれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 続いて、文化観光の推進についてお尋ねいたします。 価値観の多様化や海外交流の進展により、地域の自然や歴史が育んできた文化資源を地域資源として捉え、観光振興に生かす文化観光が、昨今、注目されています。私の地元宇部市では、彫刻を中核としてまちづくりを行っており、その歴史は一九六一年にまで遡ります。 戦争で荒廃した町の復興と、心の豊かさを取り戻したいと願う市民運動を契機として、この野外彫刻展は始まり、まちづくりにアートの要素を取り入れた、その当時の日本としては先進的な取組でした。 この野外彫刻展は、UBEビエンナーレという名称で、日本で最も長い歴史を持つ、そして県内で最も大規模なアート展覧会です。二年に一度開催されるUBEビエンナーレは、コロナ禍により一年延期となりましたが、今年、二〇二二年秋に開催されます。 四十九か国から約三百点の応募作品が寄せられ、その中から厳選された十五作品が、ときわ公園内に展示されます。宇部市にとって、UBEビエンナーレを中心とした町の文化芸術は、文化と観光の両方を併せ持つ貴重な地域資源なのです。 現在、国は、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、地域における文化観光の推進を支援し、地域活性化につなげ、その効果を再度、文化振興へ投資していく好循環の創出に向け、取組を進めています。 先般、世界経済フォーラムが二〇二一年の旅行・観光の魅力度ランキングを公表し、日本が対象百十七か国・地域の中で、初めて一位となりました。文化に関する項目でも高い評価を得ているとのことです。 世界でも高い評価を受けている日本の文化ですが、県内に目を向けると、世界文化遺産に登録された萩市内の資産群をはじめ、瑠璃光寺五重塔、住吉神社本殿などの国宝建造物や、雪舟、香月泰男などの美術作品、萩焼や大内塗、赤間硯といった伝統的工芸品など、世界に誇れるものが多数あり、こうした地域の貴重な文化資源を観光に生かしていくことが重要だと思うのです。 そこでお尋ねいたします。本県特有の文化資源を観光資源として活用していくことについて、県としては、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、野生鳥獣被害防止活動の推進に向けたジビエの振興についてお尋ねいたします。 県内の野生鳥獣による農作物被害は、令和三年度が約三億八千九百万円となっており、被害金額は依然として高い水準にあり、営農意欲の減退の一因として、数字に表れる以上に深刻な影響を及ぼしています。 農林水産省は、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律に基づき、現場に最も近い行政機関である市町村が中心となって実施する、野生鳥獣に対する様々な被害防止のための総合的な取組を支援しています。 県の取組としては、農林水産事務所、市町、関係団体等で構成される、地域ぐるみ推進チームを中心に、集落営農法人や自治会を対象に、地域の被害防止対策計画である、地域ぐるみ活動対策プランの作成支援や、地域活動を牽引する集落リーダーの養成、地域ぐるみ推進チーム員のレベルアップに向けた研修会を開催されるなど、地域ぐるみで取り組む鳥獣被害対策防止策を推進されています。 また、県内の飲食店へジビエのメニュー化に向けた取組も促進しておられ、令和三年度の実績として、八店舗二十四メニューが新規に開発されたとのことです。 鳥獣被害を防ぐには、農作物に近づけないよう柵を設置すること、銃やわなで捕獲し、駆除することが主な取組になるのではないかと思いますが、昨今は駆除した野生鳥獣を廃棄処理するのではなく、ジビエ肉として命を大切に頂こうという風潮が強くなりつつあります。 そのため、県の鳥獣被害防止対策の取組の活動の一つとして、飲食店へ向けてジビエ肉のメニュー化促進を取り組まれたのだと理解しておりますが、ジビエ肉を使用した料理をスタンダードメニューとして提供するには、安定した販売ルートの確保が必須となってくるかと思います。 一昨年度、県内で捕獲・駆除した野生鳥獣は三万四千頭であり、そのうち、ジビエとしての利用率はわずか七%ということで、捕殺したとしても処理施設がすぐ近くにないなどの理由により、有効活用されていないことが課題として挙げられるのではないでしょうか。 野生鳥獣を解体、精肉、販売するには、食肉処理業と食肉販売業の許可が必要です。また、薫製、ハム、ソーセージなどに加工する場合は、食肉製品製造業の許可が必要となります。これらの営業許可を得るためには、食品衛生法に基づき定められた施設が必要です。 ハンターが自分の獲物を保健所の認可を受けた施設以外でさばき、販売すると食品衛生法違反になるのです。食肉処理施設以外で皮を剥ぎ、解体をした獲物の肉は食肉としてみなされません。駆除された野生鳥獣の肉をジビエ料理として無駄なく利用するには、食肉処理施設の確保が必要となってきます。 野生鳥獣被害防止活動をさらに推進していくためにも、ジビエを有効活用できる環境の整備が重要であり、捕殺場所に近接して処理施設を設置するなど、適切な処理体制を構築していく必要があります。 そのためには、県と各市町が連携し、民間に向けて処理施設整備を積極的に呼びかけることによって、ようやく安定した流通が可能となり、飲食店へのジビエメニュー化の取組を成し得たことになるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。国からの支援を有効的に使い、捕った命を大切に使えるよう、ぜひとも踏み込んだフォローをしていただきたいと思いますが、県としてはどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 以上、六つの質問を私からの質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 高井議員の御質問のうち、私からは県内中小企業のイノベーション創出についてのお尋ねにお答えします。 私は、本県の活力の源である強い産業をつくるため、産業イノベーション戦略において、医療、環境・エネルギー、宇宙等を重点成長分野と設定し、産学公金連携の下、積極的な取組を進めてきたところです。 具体的には、県産業技術センターに、イノベーション推進センターや宇宙データ利用推進センターを設置して支援体制を整備するとともに、研究開発のフェーズや規模に応じたシームレスな補助制度により、企業の研究開発を支援しています。 これまでの支援により、再生医療向け細胞組織冷凍保存用フリーザーや、水素ボイラー搭載型貯湯ユニットなど、医療、環境・エネルギー関連分野などにおいて、百二十件を超える事業化が実現するなど、多くの成果が生まれてきたところです。 こうした中、先般公表された、国の骨太の方針では、官と民が協力して、科学技術・イノベーションやグリーントランスフォーメーションなどに計画的・重点的に投資することとされています。私は、こうした国の動きと呼応しながら、本県においても、大胆な投資やイノベーション創出につながる企業の果敢な挑戦を、これまで以上に力強く後押しする考えです。 まず、医療分野では、山口大学を中心として、最先端のがん免疫細胞療法や細胞培養関連技術など、再生医療・細胞療法に関する研究開発が進展しており、これらの研究開発の実用化、産業化の取組を通じて、本県における再生医療関連産業の育成・集積を進めてまいります。 次に、環境・エネルギー分野では、省エネに資する半導体用基板の高熱伝導技術やガラス用透明遮熱塗料の開発などの取組が進められているところであり、こうした脱炭素化に向けた研究開発の加速化や地域での事業化を図ってまいります。 さらに、宇宙分野では、宇宙データ利用推進センターを核として、県内企業等による衛生データの活用や解析技術、ソリューション開発を支援し、森林情報、防災、農業など、様々な分野に応用する研究開発や事業化を促進してまいります。 また、こうした成長分野の持続的なイノベーション創出に向けた取組は、企業や大学との連携はもとより、宇部市のスタートアップ支援や、ときわ公園実証フィールド活用プロジェクトなど、意欲的な市町の取組と協働することで、より強力に推進できるものと考えております。 私は、厳しい環境変化への対応を、新しい時代をリードしていく好機と捉え、県、市町、企業、大学等の関係機関が持つ力を結集して、本県の強みや特性を生かした県内中小企業のイノベーションの創出に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 地域防災力の強化についてのお尋ねにお答えします。 近年、全国的に自然災害が頻発化・激甚化する中、県民の命と暮らしを守るためには、地域住民で助け合う共助の力を高めるとともに、地域の被害軽減に資する災害に強いまちづくりを進めることで、地域防災力を強化していくことが重要です。 このため県では、市町と連携し、共助の核となる自主防災組織に、防災士が多くを占める県の自主防災アドバイザーを派遣し、必要な指導・助言を行うことで組織の活性化を図るとともに、拡張現実機器を用いた小学校での体験学習の実施など、低年齢層への防災意識の啓発に取り組んでいます。 また、住宅等の耐震化、避難場所や避難路、延焼防止帯の効果も期待できる公園や道路等の整備などにより、災害に強いまちづくりを進めているところです。 こうした中、お示しのとおり、切迫性が指摘されている南海トラフを震源とする地震や記録的な集中豪雨等により、甚大な災害の発生が懸念されていることから、ソフト・ハード両面にわたる防災対策の充実を図る必要があります。 まず、ソフト面においては、自主防災アドバイザーを対象に毎年実施しているスキルアップ研修において、より具体的な地域課題への対応を取り入れるなど、内容の充実を図り、自主防災組織に対する地域の実情に即した適切な指導・助言につなげていきます。 また、依然として若い世代の防災意識が低いことから、子供たちが自然災害に対する正しい知識を備え、かけがえのない命を守り、自助・共助の心を育むことができるよう、可能な限り多くの子供に様々な防災体験学習の機会を確保するなど、学校と連携した防災教育を一層充実させます。 次に、ハード面においては、広域的な防災力強化の観点から、公園や港湾等の広域輸送拠点や、緊急輸送道路ネットワークの整備等を進めていきます。 また、市町が主体的に取り組む災害に強いまちづくりに向けた施設整備を進めるに当たっては、国の支援制度に関する情報提供や、地域の実情に応じた助言を適宜適切に行うこととしています。 県としては、引き続き、市町ともしっかりと連携しながら、ソフト・ハード両面にわたる防災対策を推進し、地域防災力の強化に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 三坂観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) アウトドアスポーツツーリズムの推進についてのお尋ねにお答えします。 コロナ禍が長期化する中、三密を回避し、屋外で安心して楽しむことができる自然体験やアウトドアスポーツへの需要が高まっています。 こうした中、県では、豊かな自然に恵まれ、多くのキャンプ場を有する本県の強みを生かして、キャンプ場と周辺のアクティビティーを結びつけ、一体的に楽しめる、スポーツフィールドやまぐちの取組を積極的に推進し、本県の交流人口の拡大につなげてきたいと考えています。 このため、各地域の特性を生かしたアクティビティーの開発に向けて、市町や民間事業者が実施する資機材の整備等を支援するとともに、アウトドアの知見を有するアドバイザーによる専門的な指導・助言も行っているところです。 この結果、各地域において、ラフティングやカヤックなど魅力的なアクティビティーが開発されており、今後、こうしたアクティビティーの一層の充実を図ることとしています。 また、スポーツフィールドやまぐちのブランド化を図るため、県のポータルサイトにより、本県のアウトドアに関する情報等を県内外に向けて発信するとともに、アウトドア事業者の情報発信力の強化に向け、インスタグラムを効果的に活用するための講習会を行ったところです。 さらに、昨年秋には、多彩なアウトドアスポーツを一度に体験できるシンボルイベントを開催したところですが、今後も県内で実施される様々なイベントにおける体験ブースの出展などを通じて、県民のアウトドアスポーツに対する関心を一層高めてまいります。 こうした取組に加え、本県のキャンプ場利用者が多い広島県や福岡県の在住者を対象として、キャンプ場と周辺のアクティビティーを楽しめるモニターツアーを実施することにより、旅行会社によるツアー商品の造成につなげていきたいと考えています。 県としては、こうした取組を通じ、市町や民間事業者、関係団体等と緊密に連携し、アウトドアスポーツツーリズムの推進に積極的に取り組んでまいります。 次に、文化観光の推進についてのお尋ねにお答えします。 旅行者のニーズが多様化する中、本県の多彩で魅力ある文化資源を観光振興に活用する文化観光の取組を推進していくことが重要です。 このため、文化資源を生かした大内塗体験等の観光素材の開発を支援するとともに、県内各地の文化施設等を巡るスタンプラリーを実施するなど、文化観光スポットの周遊促進に取り組んでいるところです。 また、県立美術館においては、浮世絵や萩焼などの収蔵品をデジタル化し、関連する観光情報と併せ、インターネット上の仮想美術館で公開するなど、美術作品を観光素材として活用する取組を進めています。 こうした取組に加え、本年十月、県内外の伝統芸能団体が一堂に会する地域伝統芸能全国大会を本県で開催し、本県の自然や歴史、文化遺産等を紹介する映像の上映や観光PRコーナーの設置などにより、多くの来場者の県内観光周遊を促進することとしています。 さらに、無形文化財である、鷺流狂言を題材に、AIを活用したゲーム性のある体験コンテンツを制作し、県内の文化施設にその体験コーナーを設置するとともに、周辺の文化スポットと併せて観光案内アプリへ掲載し、誘客促進につなげていきます。 県としては、今後とも、市町や関係団体等とも緊密に連携し、本県の多彩な文化資源を観光振興に活用する文化観光の推進に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 前田産業戦略部長。    〔産業戦略部長 前田安典君登壇〕 ◎産業戦略部長(前田安典君) 次世代モビリティーサービスの推進についてのお尋ねにお答えします。 主要な都市や観光地が分散している本県において、交流人口の拡大による地域経済の活性化を図るためには、来訪者の交通利便性向上に向け、空港や新幹線駅などの交通拠点と観光地等を結ぶ二次交通の充実が極めて重要です。 とりわけ、昨年オープンした新山口駅北地区の山口市産業交流拠点施設には、大型イベントやコンベンションの開催により、県内外から多数の来訪者が見込まれることから、県では、令和二年度から、新山口駅を拠点とした新たなモビリティーサービスの実証事業に取り組んでいるところです。 具体的には、関係市や交通・観光事業者等と連携し、推進母体となる協議会を設置し、やまぐちMaaS用ウェブアプリ、ぶらやまを活用して、二次交通サービスのデジタルチケット化や、移動手段と多様なサービスを組み合わせた新たなビジネスモデルの実証を行っています。 また、二次交通の新たな手段として、二人乗りの超小型EVや電動バイクといった最新モビリティーの貸出しにも取り組み、このうち超小型EVについては、本年四月、山口市湯田温泉地域での民間事業者によるシェアサービス開始へとつながり、成果も上がっているところです。 今年度は、実証事業の対象地域を、これまでの山口市、長門市、萩市に宇部市、美称市を加え、お示しの山口宇部空港についても、新山口駅や宇部市街地との間のバス乗車券の特典付デジタルチケットの販売や、空港と美称市、長門市と結ぶ乗合タクシーの実証運行を行うこととしています。 こうした取組に加え、社会実装可能な新たなビジネスモデルの構築や、県内での横展開につなげていくため、交通機関の利用状況や満足度などの調査・分析を行い、実証事業の効果を検証することとしています。 県としては、今後とも、関係市や事業者等と緊密に連携しながら、MaaSの導入・定着を着実に進めるとともに、その成果を県内全域へと展開し、観光振興や交流人口の拡大、さらには本県産業の発展につながるよう、次世代モビリティーサービスの一層の推進に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 野生鳥獣被害防止活動の推進に向けたジビエの振興についてのお尋ねにお答えします。 野生鳥獣による農林業被害が深刻化する中、ジビエの有効活用は、捕獲者の所得を向上させ、捕獲に対するインセンティブが高まることから、鳥獣被害防止につながる重要な取組と考えています。 このため県では、市町等と連携して、ジビエ料理の試食会やメニュー化を支援してきたところであり、こうした取組の結果、令和二年度のジビエ利用量が平成二十八年度の二・四倍になるとともに、食肉処理施設も十か所から十五か所に増加したところです。 一方で、捕獲されたイノシシ等の利用率は一割に満たない状況であり、さらなる有効活用を図っていくため、県では、市町、猟友会など関係団体と一体となって、地域の実情に応じた処理施設の整備を推進することとしています。 具体的には、まず、施設整備の要望がある市町において、地域の合意形成に向けた勉強会等を開催するとともに、施設整備に必要な構想の策定を進めます。 また、その整備に当たっては、規模や機能、設置場所等が適切なものとなるよう、衛生管理の専門家の意見を踏まえた指導・助言を行うとともに、施設整備や機器導入に、国の交付金等を活用するなど、地域の取組をしっかりとフォローします。 さらに、ジビエの普及や利用拡大も重要であることから、新たにジビエメニューの提供が開始された県内自衛隊の取組を、他の公共施設へ広げるとともに、近年問合せが増加傾向にあるジビエのペットフード等の新商品の開発を支援します。 県としては、野生鳥獣による農林業被害の低減や、捕獲した鳥獣の有効活用につながるよう、市町や関係団体等と一体となって、地域の主体的な取組を積極的に支援しながら、ジビエの振興に取り組んでまいります。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は午後一時の予定でございます。    午前十一時五十四分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(二木健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十四号まで ○副議長(二木健治君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十四号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 岡生子君。    〔岡生子君登壇〕(拍手) ◆(岡生子君) 皆さん、こんにちは。自由民主党の岡生子でございます。「生子」と、「子供」の「子」と名前がついているのに、このようなスタイルで、女性か男性かという疑問を抱かれる方もおられるかもしれませんが、一応女性でございます。 私は小学一年生の頃、スカートを履いたときに、このスタイルではないなと感じました。以後、学校の制服以外は全てが男性のスタイルで活動してきました。今後もこのスタイルとスタンスでいきますので、御気軽に声をかけていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) 質問に入る前に、一言述べさせていただきます。 まず初めに、村岡知事をはじめとする県の職員の皆様方におかれましては、県の新たな方針、やまぐち未来維新プランを掲げられ、県民の安全・安心と成長を目指して、山口県の運営に努められ、心から敬意を表するとともに、感謝申し上げます。 また、山口県議会議員の皆様方には、常日頃よりたくさんの御指導、御支援を頂くこと、本当に感謝申し上げます。 さて、新型コロナウイルスが少しずつ落ち着いてきている中ではありますが、一方で、長期化するロシアのウクライナ侵攻は収まる兆しはありません。 厳しい環境下にはありますが、新たな総合計画の下、明るい未来を目指し、今、何を私たちはしなければならないかを十分に理解し、共に山口県を盛り上げていきたいと考えます。 また、各地域のたくさんの課題を抱える中、私の地域の話になりますが、阿武・萩地域においては、山陰道、小郡萩道路、また中核病院の形成についての対応につき、御指導、御支援を頂いていること、誠に感謝申し上げますとともに、阿武・萩地域にとっては、道路と病院についての問題は、人命を左右する問題でもあり、とても大切なことで、地域一番の最優先事項でもありますので、早期に取り組み、皆様のお力になれるよう、進めていきたいと思っております。 何とぞ御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。 それでは、質問に入らさせていただきます。 初めに、肥料価格の高騰と農産物価格の維持・向上への対策についてお尋ねいたします。 まず、肥料価格の高騰対策についてです。 ロシアによるウクライナ侵攻は、当初の予想を大幅に超えて長期化しつつあり、その影響は、欧米のみならず世界中に波及しています。 中でも、エネルギー価格は、世界的な脱炭素の流れと相まって、世界中で高騰しつつあるという事態を招いています。このことは、輸送コストはもちろんのこと、様々な分野における原材料価格の高騰も招いており、第二次産業にとどまらず、第一次産業にも大きな負担として重くのしかかってきています。 とりわけ、農業における肥料価格の高騰は深刻であり、原料の一つである塩化カリウムは、およそ四分の一をロシアとベラルーシの輸入に頼っていたことから、輸入先の変更を余儀なくされており、そのことは供給不安を招き、輸入価格はおよそ三倍から五倍というのが現状です。 JA全農では、六月から十月に供給する秋肥を大幅に値上げしており、その値上げ幅は過去に例のない規模であるとのことです。 また、山口県では、条件不利地が多く、例えば、米の生産で言うと、農機具の占める割合は約三〇%と全国の二三%より高く、農家においては、肥料、農薬の価格上昇に加えて、燃料コストが追い打ちをかけているという深刻な状態にあります。 加えて、農産物の価格が下がる中で、小麦などの穀物価格の上昇や原材料費、輸入コストの上昇などによるコストプッシュ型インフレが家計そのものを直撃し、その経営を著しく圧迫されています。 そこでお尋ねいたします。肥料価格の高騰により、農家では今まで以上に効率的に生産をしていかなければならないのは言うまでもありません。生産現場での肥料コストをいかにして低減させるのかが課題だと思いますが、県として、どのような対策を行っていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、農産物価格の維持・向上対策についてです。 お示ししましたように、農産物の生産に係る費用は急激に上昇しているのに対し、農産物の価格は、需給に大きく影響されるなど、生産コストの上昇分を価格に転嫁することが困難であるのが現状です。 私は、食料の安定供給は国民の生命を守る上でも欠かせないものであり、農家の方々が安心して生産活動を続けていくためにも、農家の苦労が農産物の価格に反映される取組が必要なのではないかと思っています。 県では、県産米購入者に対し、県産品等を抽せんでプレゼントするキャンペーン等による需要喚起対策などを行っておられますが、農産物価格を維持・向上させるため、今後どのような対策を行っていかれるか、御所見をお伺いいたします。 次に、県民一斉健康づくりについてお尋ねいたします。 これまで新型コロナウイルス感染症への対策としては、ワクチン接種の促進や補助金、助成金の支給という措置が講じられてきました。 また、ワクチン接種についても、山口県の対策はどこの県よりも早く接種されています。これに関しましては、感謝に堪えないところであります。また、これから四回目の接種の対策も準備されています。 今後、新型コロナウイルスに限らず、県民の健康増進のためのより一層の強化をお願いしたいところであります。 現在、県では、県民一斉健康づくりとして、健康づくりの見える化や日常化、県民の主体的な健康づくりを支援する仕組みの充実、この三つの柱を掲げ、ライフステージに応じた健康づくり対策、生活習慣の改善、社会環境の整備の取組など、県民総参加の健康づくりの促進に取り組んでおられます。 また、やまぐち健幸プロモーション推進事業により、健康寿命延伸に向け、やまぐち健幸アプリを活用し、新しい生活様式に対応した健康づくりをテーマとして全県的な健康づくりの機運醸成を図っておられます。 そこでまず、県民の主体的な健康づくりの支援についてです。 現在、コロナ禍により、家庭での在宅勤務をする機会が多くなるなど、県民はより一層体を動かす機会が低下してきています。健康づくりを始めることで、感染症に係る免疫強化や生活習慣病の予防など、医療費の削減にもつながります。 こうした中で、県が開発した健幸アプリについては、私も活用している一人ですが、イベント・ポイントのほかにも企業の方の様子も見ることができ、企業での利用、企業間での競争もできるなど、利用者の行動意欲をかき立て、非常によい取組と思います。 今後は、より多くの方がこのアプリにより健康づくりを進められるよう、さらに利活用の促進を図っていただきますようお願いいたします。 また、県では、県民の主体的な健康づくりを支援するための仕組みとして、やまぐち健康経営企業認定制度を設けておられます。従業員の健康管理を、経営的視点から実践を促す取組であり、五月末時点で四百七十二社が認定されております。 企業単位での健康増進につながる取組ではありますが、私の周りでは制度を知らない企業も多く、また、知っていてもなかなか健康経営の取組までには至らないような話も伺っております。制度周知や制度への参加促進について一層強化する必要があると考えます。 そこでお尋ねいたします。県民の皆様が主体性を持って健康づくりの取組を進められるよう、やまぐち健幸アプリや健康経営認定制度などのさらなる利活用を促進していただきたいと考えますが、県では、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、健康づくりの見える化についてお伺いいたします。 健康づくりの一環として、食事療法だけでなく、やはり身体を動かすことは、抵抗力と免疫力を一層アップする要因にもつながるものと考えます。 ある財団の調査によれば、二〇二〇年における一週間以上の散歩・ウオーキングの実施率は三五・七%であり、推計人口は三千六百九十二万人で、二十四年前から約二・五倍という結果とのことです。 健康志向の高まり、そして、私たちのライフスタイルの一部として散歩・ウオーキングが広く普及・定着してきたものと考えられます。 現在、フィットネスブームでもありますが、コロナ禍において健康への意識が向きやすい今だからこそ、しっかりと運動を継続し、運動の頻度を増やしてもらう取組が必要となります。 そのためには、個人個人が自身の健康状態や取組成果を把握する必要がありますし、健康関連データを調査分析し、個人にしっかりと周知を図っていく、見える化を一層進めていくことが重要となります。 そこで、県では、県民の健康づくりの見える化に向け、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、中小企業の事業承継の促進についてお尋ねいたします。 企業経営者の高齢化が進む中、事業承継は、中小企業がコロナ禍以前から抱える大きな問題です。 改めて申し上げるまでもなく、中小企業は我が国の社会・経済を支える存在であり、また、雇用の受皿として極めて重要な役割を担っています。 円滑な事業承継により中小企業の活力の維持・向上を図ることは、地域経済の活力の維持・向上を図ることとイコールだと言っても過言ではありません。 このため、国においては、二〇一七年に策定した事業承継五か年計画に基づき、マッチング支援や補助金制度の運用、税制面での優遇措置など様々な支援を集中的に実施されています。 また、県においても、国事業の積極的導入・活用に加え、専門家と連携したハンズオン支援や後継者育成プログラムの実施など、力を入れて取り組まれています。 しかしながら、昨年十一月に帝国データバンクが公表した調査結果によると、二〇二一年の本県の後継者不在率は七一・〇%と、前年の七五・三%から減少したものの、全国平均の六一・五%を九・五ポイント上回る、全国で五番目に高い数値となっています。 また、同じく帝国データバンクの調査ですが、県内企業の社長の平均年齢は、昨年十二月時点で六十・三歳と過去最高を更新したという結果も示されており、引き続き積極的な対応が求められる状況です。 今後の取組において、まずは、事業承継に向けた機運醸成をしっかりと図っていくことが重要だと考えます。 私自身、親族から事業を承継した者の一人ですが、その経験から思うのは、やはり早期に事業承継に対する意識を高め、計画的に準備を行うことの重要性です。気づいたときには手遅れで、廃業するしかないといった状況は避けなければいけません。 また、事業承継は経営者にとって一大事であり、承継するのも、譲渡するのも、双方に不安や悩みがつきまといます。 国、県だけでなく、市町や支援機関、地方金融機関、士業など、様々な主体が事業承継に向けた支援を行っていますが、そうした支援が経営者の抱える不安や悩み、企業の置かれる状況や課題に応じて的確に届けられることも重要です。 私の地元萩でも、事業承継による経営者の若返りを事業拡大のきっかけとされた企業も多くあります。 県においては、支援に取り組む様々な機関とも連携しつつ、事業承継の機運醸成に向けた取組、企業のニーズに応じた支援を展開することで、後継者不在による廃業を一つでも多く回避し、また事業承継を機に成長する企業を一つでも多く生み出し、本県経済の活性化につなげていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。中小企業の事業承継の促進に向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、中山間地域の移動手段の確保についてお尋ねいたします。 中山間地域では、人口減少や少子高齢化により、路線バスの利用者が減り、減便や廃止が相次いでいます。また、近年、免許返納により運転ができない高齢者も増えており、中山間地域で生活する高齢者の移動手段の確保は重要な課題となっています。 こうした中、各市町では、定期路線バスから予約があった場合に、バスや乗合タクシーなどを運行するデマンド型交通への転換が進められているところです。 デマンド型交通は、事前に電話予約が必要となりますが、利用者のニーズに応じて柔軟な運行を行うことができるため、利用者にとっては利便性の向上、行政にとっては運行経費のコスト削減が期待されています。 デマンド型交通への転換に当たっては、課題も見えてきているところです。運行方式、ダイヤ、発着地などの運行形態が住民のニーズと合っていない場合には、転換後に利用者が減ってしまい、逆に、一人当たりの運行経費が増えるというケースも出てきています。こうした場合、民間や地域の方が自主的に協力し合い、高齢者の送迎を手助けされている地域もあるそうです。 また、運行を受託する地域のバス事業者やタクシー事業者では、深刻な人手不足が生じており、限られた運転者の数の中で、効率的な運行も求められています。 中山間地域に暮らす高齢者が免許返納した後でも安心して生活できるよう、地域住民にしっかりと利用される、持続可能なデマンド型交通を推進していかなければならないと考えます。 そのため、県においても、課題を抱える市町や、人手不足などに悩むバス事業者やタクシー事業者を支える対策が必要ではないかと思うのです。 また、AIの活用や自動運転をはじめとしたデジタル技術の応用が、全国各地で検討され、社会実装に向けた取組が進められています。 こうした技術の活用は、交通空白地の移動手段の確保、行政負担の軽減、運転手不足の解消などに効果を期待され、中山間地域における持続可能なデマンド型交通の推進にもつながっていくものと考えております。 県内では、これまで、山口市、宇部市、長門市が地元のタクシー事業者と連携し、AI乗合タクシーの実証実験を行い、導入に向けた検討が進められています。 一方で、将来の投資効果や費用が見通せないため、導入に向けた検討や実証実験の着手をためらっている市町もあると伺っています。 本県は、地域の課題解決を目指したデジタル改革を全国に先駆けて進められておられますが、中山間地域の大きな課題である交通手段の確保に対し、モデル的な取組を支援するなど、社会実装の実現に向け、市町の取組をしっかりと後押ししていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねいたします。地域の実情に応じた持続可能な交通体系が求められている中、中山間地域における移動手段の確保について、県としてどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、治水対策の強化についてお伺いいたします。 近年、毎年のように日本各地で大規模な水害が発生しています。萩市においても、平成二十五年七月に、これまでに経験したことのないような大雨との発表がなされた大雨災害により、須佐川や田万川が氾濫し、大規模な浸水被害に見舞われました。 当時、私の会社通勤の路上でありましたので、被害の大きさを知り、社員の安否と現場の状況を聞きました。 また、お客様の状況を聞いたときには、家を流された方、浸水された方も多くおられました。後日現地入りしましたが、そのときに目撃した被害状況については、私の脳裏に今でも生々しく焼きついています。 発災後、県は速やかに災害復旧工事に取りかかられ、再度災害防止のため、護岸の整備や河道掘削等のハード整備が行われました。発災から九年たった現在も、継続して整備が進められています。 本年も梅雨時期を迎え、大雨により河川の氾濫等に警戒をしなければならない時期になりました。局地的に集中豪雨が増加する中、都市化の進展に伴い、降雨時には短時間に大量の雨水が河川や水路に流水するようになりました。そのため、水害のリスクは一層増大しています。 このような中、県では、本年二月に、流域全体で水害を低減させるため、二級水系における流域治水プロジェクトを策定・公表されました。 今回は、私の地元を流れる阿武川や田万川、須佐川を含め、過去に大きな水害が発生し、背後に人口・資産が集中している二十六水系が策定の対象となっています。 この中では、堤防の整備や護岸の改修、河川監視体制の強化やハザードマップの周知等、ハード・ソフト両面から、今後行うべき治水対策が指示されています。須佐川、田万川の被害状況を見ても、一たび水害が発生すると、その復旧に多大な時間と費用を要するだけでなく、住民の生命・暮らしも脅かされてしまいます。 私は、毎年のように日本各地で起こる甚大な水害被害を目の当たりにしますと、現在実施されている河川改修などのハード面の整備を、より一層加速させる必要があると考えます。 その一方で、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化する中、施設能力を上回る被害も想定すべきだと思います。このような災害から、県民の生命・身体を守るため、避難行動を促すソフト対策も重要です。逃げ遅れにより、住民の方が住宅に取り残されてしまうケースも後を絶ちません。 こうした事態を少しでも防ぐため、例えば、デジタル技術を活用して河川の危険度の見える化を進めることで、自主的な避難を促すなど、県民目線の対策を充実させることも必要だと考えます。 そこでお尋ねいたします。県民の生活を災害から守るため、ハード・ソフト両面から治水対策を強化していく必要があると考えますが、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、介護・看護の人材確保についてお尋ねいたします。 本県は、高齢化率が二〇二一年で三五%と全国三位となり、全国平均に比べると十年早く高齢化が進行している状況です。 このような中、県民が健康で安心して暮らしていくためには、介護や医療の担い手である介護人材・看護人材の確保・育成の取組を一層強化することが重要と考えます。 介護人材に関しましては、高齢化に伴い福祉・介護ニーズの拡大、多様化が求められる中、二〇二五年で約二千四百人の人材不足が見込まれております。 介護業界は離職率が高いという話がありますが、実際の離職率は全産業平均をやや上回る程度です。ここ数年で現場は改善されているものの、やはり介護業界は仕事がきつい、給料が安いなどの薄給激務のイメージが依然として残っているのではないかと思います。 看護人材に関しては、医療の高度化・専門化、ニーズの多様化が進む中で、看護職員の質と量の双方の確保を図ることが求められています。特に、今後、在宅医療等の推進に向けたニーズの増大が見込まれ、さらなる看護職員の育成・確保が必要不可欠となっています。 本県の十万人当たり看護師数は全国平均を上回るものの、さきに申しましたとおり、十年早く高齢化が進行する本県において、医療現場からは不足している声を聞きます。また、新型コロナウイルスの関係もあり、今まで以上に仕事の内容は多く、複雑になってきています。 私の地元萩においては、山陽側と比べ高齢化がより早く進行し、二〇四五年にはおよそ二人に一人が高齢者になると見込まれております。 介護や医療へのニーズが日々増加する中で、地元の事業者や病院などからは、現在でもなかなか十分な人材の確保ができないという声をよく聞きます。 介護・看護の人材の確保は一朝一夕になせるものではありません。介護や看護の人材の不足を解消するには、学生など人材の参入促進に加え、職業イメージの向上、離職防止や再就職支援や資質向上など、課題に即した対応を計画的に進めることが重要になるのではないか思います。 そこでお尋ねいたします。今後、高齢化が一層進行する中においても、県民が安心して生活できるよう、介護・看護の人材確保をしっかりと進めていただきたいと考えておりますが、県ではどう取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 以上で、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 岡議員の御質問のうち、私からは、治水対策の強化についてのお尋ねにお答えします。 近年、気候変動に起因する記録的な集中豪雨等による災害が全国で頻発・激甚化しており、私は、こうした災害から県民の生命・財産を守るためには、治水対策は極めて重要であると考えています。 さらに、今後、これまで以上に水害リスクの増大が予測されていることから、河川管理者等がこれまで実施してきた対策に加え、河川流域全体のあらゆる関係者が協働して、水害を軽減させるための対策を進めていくことがますます求められています。 このため県では、関係機関と連携して、流域治水プロジェクトを策定し、比較的発生頻度の高い洪水に対しては、河川改修などのハード対策を進めるとともに、施設の能力を上回る洪水に対しては、住民の避難に資する情報の提供を柱としたソフト対策を進めているところです。 具体的には、ハード対策として、過去に甚大な浸水被害を受けた河川等において河川整備計画を策定し、中長期的な視点で河川改修等を計画的に進めるとともに、あわせて、短期的に効果を発現する河川内の土砂掘削等の対策を集中的に実施しているところです。 さらに、こうした治水対策の取組を進めるに当たっては、国による、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の予算等も積極的に活用し、ハード対策の一層の加速化に努めていく考えです。 また、ソフト対策として、住民への的確な情報伝達や避難行動につなげるため、雨量や河川の水位、河川監視カメラによる河川の状況等、河川の危険度を山口県土木防災情報システムにおいて見える化し、インターネットを通じてリアルタイムで情報提供しています。 さらに、新たに九河川において、簡易型水位計を設置し、今月一日から、河川の水位情報の提供を開始したところであり、今後も引き続きデジタル技術も活用し、防災情報の一層の充実強化を図っていく考えです。 私は、県民の暮らしの安心・安全は、あらゆることの基本であるとの認識の下、市町や関係機関と緊密に連携し、ハード・ソフト両面から、治水対策の強化に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 肥料価格の高騰と農産物価格の維持・向上への対策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、肥料価格の高騰対策についてです。 ロシアによるウクライナ侵攻の影響による肥料価格の高騰は、燃料等の価格高騰と併せ、農家の経営を著しく圧迫しており、肥料コストの低減は喫緊の課題となっています。 こうした中、県では、肥料の使用量を削減するための技術対策資料を作成し、土壌診断による適量散布や、地元で製造された堆肥の有効活用など、JA等と連携して、きめ細かな技術的指導・助言を行ってきたところです。 一方で、お示しのとおり、肥料価格は過去に例のない水準で急激に上昇しており、こうした従来の取組だけではなく、農家の経営継続に向けた、さらなる支援が必要となっています。 このため県では、このたびの補正予算において、農家の経営安定と維持を図るため、肥料代等の経費の一部を助成する、県独自の施策を緊急的に実施することとしています。 県としては、JA等の関係団体と緊密に連携し、肥料コストの低減を図ることにより、農家の皆様が安定した経営ができるよう、積極的に支援してまいります。 次に、農産物価格の維持・向上対策についてです。 農産物の価格は、品質や需給バランスなどによって大きく変動することから、県では、これまで価格の安定を図るため、JA等と連携し、商品価値を高めるためのブランド化を進めるとともに、キャンペーン等を通じた需要の拡大に取り組んできたところです。 こうした中、お示しのように、生産活動の継続に向けては、農家の苦労が価格に反映される取組が重要であることから、これまでの対策に加え、農産物価格の維持・向上に向けた取組を強化することとしています。 具体的には、農家と実需者をマッチングする需給連携の取組を強化することで、当事者同士であらかじめ価格や数量を決める相対取引を進め、農産物価格の維持・安定につなげます。 その上で、農産物の数量や品質等が、天候などの影響で変動した場合でも、産地情報の速やかな提供によって、量販店等が柔軟に販売できるようにし、価格変動の緩和を図ります。 加えて、生産から加工、販売までを手がける六次産業化の取組については、農家自らが価格設定できることから、やまぐち六次産業化・農商工連携サポートセンターの支援体制を強化し、魅力ある商品づくりを進めることで、農産物の付加価値を高めていきます。 県としては、これらの取組を通じて、農家の方々が安定した収益を確保できるよう、JAや関係団体等と連携しながら、積極的に支援してまいります。 ○副議長(二木健治君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 県民一斉健康づくりについての二点のお尋ねにお答えします。 まず、県民の主体的な健康づくりの支援についてです。 健康寿命の延伸に向けては、県民一人一人の主体的な健康づくりの促進と、それを支援する仕組みの充実が重要であることから、県では、健幸アプリや健康経営企業認定制度の普及に取り組んでいるところです。 健幸アプリについては、楽しみながら健康づくりが続けられるよう、ウオーキング歩数を視覚化する機能や、仲間との競争やポイント獲得などゲーム的な要素を加えるとともに、テレビなど様々な媒体により広く普及に努め、現在、ダウンロード数は五万件を超えています。 今後は、さらなる利用促進に向けて、企業協賛キャンペーンの拡充に努めるとともに、アプリの魅力を高めるため、県内観光地を巡るバーチャルウオーキングコースの設定や、自宅でできるストレッチ動画の紹介など、内容の充実を図ってまいります。 また、健康経営企業認定制度については、より多くの企業に、従業員の健康づくりに取り組んでいただけるよう、経済団体や協会けんぽ等と連携し、リーフレット等を活用した制度の周知を図っており、これまで四百七十二事業所を認定してきたところです。 今後、健康経営企業のさらなる拡大を図るため、認定企業の取組をホームページ等で広く紹介するとともに、認定を目指す企業に対して定期的な情報提供や保健師等による、それぞれの企業の特色に応じた健康づくりへの助言を行うなど、企業における健康経営の取組を支援してまいります。 次に、健康づくりの見える化についてです。 県民一人一人が健康づくりに対する意欲を高め、取組を継続していく上で、自身の健康状態や取組の成果を数値化して把握することは、大きな効果があります。 このため県では、健幸アプリを活用して、歩数や血圧、体重を記録し、日々の変化をグラフで表示できるようにするなど、個人の健康行動の見える化に取り組んでいるところです。 また、今年度、健康づくりに関する県民意識調査を実施し、運動や食生活等の実態を年代や市町別に分析することとしており、こうしたデータをホームページに掲載するなど、広く県民の皆様に還元し、健康づくりに役立ててまいります。 県としましては、健康寿命の延伸に向けて、今後とも、市町や関係団体、企業と連携し、県民総参加による健康づくりの推進に積極的に取り組んでまいります。 次に、介護・看護の人材確保についてのお尋ねにお答えします。 高齢化の進行等により介護や医療ニーズが増大・多様化する中、県民が生涯を通じて健康で安心して暮らしていくためには、良質な介護・看護サービスを担う人材の確保・育成が重要です。 このため県では、やまぐち高齢者プランや山口県保健医療計画に基づき、中長期的な視点に立って、計画的な人材の養成と安定的な確保及び資質の向上に取り組んでいます。 まず、介護人材については、学生への修学資金の貸付けのほか、多様な人材の参入を図るため、他業種からの転職希望者や中高年齢者に対し、求人事業者とのマッチングや、研修機会の提供、就職支援金の貸与など、求職から就職までの一貫した支援を行い、人材の確保に努めています。 また、介護職のイメージアップに向けて、若い介護職員が誇りを持って働く姿を県ホームページ等で紹介するとともに、中高生等を対象とした介護の職場体験やインターンシップを実施し、将来の担い手の育成につなげてまいります。 次に、看護人材については、看護学生の県内就職に向けた修学資金の貸付けや、潜在看護師の再就業等を支援する山口県ナースセンターにおける相談対応や職業紹介、次世代の担い手となる中高生向けの進路ガイダンスや看護体験の実施等により、人材の確保と魅力発信に取り組んでいます。 また、今後、需要の増大がさらに見込まれる在宅医療への適切な対応に向け、訪問看護師に対する褥瘡ケア等の在宅医療に必要な技能研修の実施や、医療の高度化等を踏まえ、がんや認知症など専門性の高い認定看護師を育成するなど、看護師の資質向上に努めてまいります。 県としましては、今後とも、関係団体等と連携し、介護医療現場の実情に即した実効性のある対策を推進し、介護・看護人材の確保・育成に積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 小関商工労働部長。    〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) 中小企業の事業承継の促進についてのお尋ねにお答えします。 県ではこれまで、国や市町、商工会議所等の関係機関で構成する事業承継ネットワーク会議を核に、集中月間における普及啓発をはじめ、専門家による相談対応、さらには県独自の後継者育成塾の開催等により、円滑な事業承継の推進に取り組んできました。 しかしながら、経営者の高齢化が進む中で、円滑な事業承継の一層の促進を図るためには、事業承継の早期準備に向けた意識喚起の徹底を図るとともに、企業の置かれた状況や課題に応じた的確な支援が届けられるよう、取組の強化が必要です。 このため、今年度、新たに四名の経営課題診断員を各地域に派遣し、中小企業への巡回訪問をきめ細かく行うことにより、事業承継の準備状況の確認や早期準備に対する理解の促進を図っていきます。 また、経営状況等の聞き取りを行う中で、後継者候補の有無に応じて、関係機関との連携による的確な支援を講じることで、具体的な事業承継につなげてまいります。 まず、親族等の候補のいる事業者には、商工会議所や金融機関等による、事業承継計画の策定サポートや経営者保証の解除に向けた相談対応を強化すること等により、後継者の早期確定を支援していきます。 親族等の後継者が不在の事業者には、事業承継・引継ぎ支援センターの全国データベースの活用や、M&A支援機関との連携によるマッチング強化等により、第三者による承継を進めてまいります。 こうした取組により、一つでも多くの事業承継の実現につなげるとともに、事業承継を契機に事業の成長が図られるよう、付加価値向上を目指した、経営革新による新事業展開等を支援していきます。 県としては、地域経済の活性化に向け、今後、関係機関との連携を一層強化し、中小企業の事業承継の促進に積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 三坂観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 中山間地域の移動手段の確保についてのお尋ねにお答えします。 人口減少や高齢化が進む中山間地域においては、利用者の減少に伴うバス路線の廃止や減便が進行しており、高齢者の買物や通院をはじめ、住民の日常生活を支える身近な交通手段の確保が重要な課題となっています。 このため県では、デマンド型乗合タクシー等、地域コミュニティー交通の導入や運行に係る経費を支援することにより、地域の実情に応じた利便性の高い交通体系への転換を促進し、地域の移動手段の維持・確保を図っているところです。 また、運行を担うバスやタクシー事業者の運転手不足の解消を図るため、山口労働局等と連携した就職相談会を開催するなど、地域公共交通の担い手確保にも取り組んでいます。 こうした中、近年のデジタル技術の急速な進展を背景に、AIを活用したデマンド型乗合タクシーや自動運転など、交通分野における新たな技術の開発や社会実装が全国的に進められています。 このため県では、こうしたデジタル技術の活用等による新たな移動手段の導入や利便性向上を目指した取組が、県内市町においても一層促進されるよう、先進的な取組に関する情報提供や助言などの支援を行い、本県の交通空白地における移動手段の確保につなげていきたいと考えています。 県としては、今後とも、市町と連携し、中山間地域における高齢者をはじめとした地域住民の日常生活に不可欠な移動手段の確保に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 山手康弘君。    〔山手康弘君登壇〕(拍手) ◆(山手康弘君) 自由民主党の山手康弘です。令和四年六月定例議会の一般質問の最終登壇者として、早速、通告に従い順次質問をさせていただきます。 最初に、デジタル人材の育成についてお尋ねいたします。 昨今、デジタル化とDX、デジタルトランスフォーメーションが叫ばれていますが、我々の世界のあらゆる分野において、その潮流は避けて通れないものになってきています。 先日、土木建築部主催のドローンを用いた河川の堆積土砂量のレーザー測量を拝見させていただきました。従来は人が河川に入り、測量棒を用いて測量していたのが、レーザーの反射を拾い、即座にマップ化ができ、その便利さに驚かされました。 また、農林水産部においては、水産研究所において、漁場形成予測のシミュレーションも見学させていただき、漁師が漁獲した魚種と量を毎日データ保存し、海域をグリッドに区切り、将来的に魚種や漁獲量の予測ができるなど、デジタル技術も目に見える形になってきたなと感心をしているところです。 身近なところでは、私たちの使用しているスマートフォンで、非常に便利なアプリ機能がたくさん開発され、十年前と比べて非常に便利になっており、私もその恩恵を受けている一人です。 また、大都市と同様の働き方が地方においてもできるようになり、テレワークやサテライトオフィスなどが徐々にではありますが、山口県にも浸透し始めています。 このようにデジタルは物理的距離と時間を考えずに済み、手段や道具として捉えられることから、無限の可能性を秘めており、地方こそデジタルを生かすことで利便性を高め、地方創生の実現にも資する大きな可能性があります。 しかしながら、デジタル化が急速に進んでいるにもかかわらず、デジタル技術にたけた人材はどれほどいるのか疑問であります。 現段階の調査では、必要な人材が半分しかいないということも耳にしたことがあります。このことは非常に憂慮する問題であり、山口県においても、その使い方や性質を理解し、実務とデジタルをマッチングさせ管理することができる人材、つまりデジタル人材の確保と育成が急務と考えます。 そこでお尋ねいたします。大都市部と違い、デジタル人材が少なく、民間の育成機関も限られる本県の実情を踏まえ、デジタル改革を進めている山口県としては、即戦力としてのデジタル人材の育成にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 あわせて、中長期的にデジタル人材を確保していくためにも、学校教育において、進路の選択肢としてデジタル人材としての働き方や魅力を周知し、子供たちがデジタル技術を意欲的に学ぶ後押しをしていく必要があると考えますが、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、高潮対策の推進についてお尋ねいたします。 県におかれては、先月二十四日、山口南沿岸、いわゆる瀬戸内海側で、高潮により相当な被害を生ずるおそれがある海岸を、水位周知海岸に指定されました。 また、想定最大規模の高潮により浸水が予測される区域を、高潮浸水想定区域として指定し、加えて、浸水区域や浸水時の水の深さ、浸水が継続する時間を地図上で示した、高潮浸水想定区域図も公表されました。 今回の措置は、平成二十七年の水防法の改正により高潮災害への取組が制度化されたことに伴い実施されたもので、今後は、今回の区域図を基に、市町が既存の高潮ハザードマップの見直しに着手されると伺っております。 高潮被害というと、南方の国々で海水面の上昇により家屋等が流される場面を想像される方が多いと思いますが、日本国内においても、過去には昭和三十四年の伊勢湾台風により名古屋市で大きな被害が発生し、近年では平成十六年にお隣の広島県においても、台風十六号、十八号の通過時に大きな被害をもたらしました。 また、山口県でも、平成十一年に台風十八号が上陸した際には、大潮の満潮と重なったことから、瀬戸内海沿岸で記録的な高潮に見舞われました。当時、山口宇部空港の駐車場で多くの車両が水没している映像を目にされた方も多かったと思います。 こうした高潮被害を防止するため、県では、海岸保全基本計画を日本海側、瀬戸内海側でそれぞれ策定され、当該計画に沿って堤防や護岸などの海岸保全施設を整備しておられます。 幸いにも、近年、山口県内においては大規模な高潮被害は生じていませんが、今回公表された高潮浸水想定区域図を拝見しますと、私の住んでいる岩国市・和木地域や、お隣の柳井地域も含め、瀬戸内海沿岸地域にある市街地エリアについて、高潮による被害の発生が想定されています。 こうしたことから、気候変動等により、今後台風がより大型化する可能性もある中、想定される被害を防止するためには、堤防の整備、護岸の強化などのハード整備の一層の推進が必要だと考えます。 また、現在の施設設備状況では、全ての高潮被害を防ぐことは難しいことから、人的被害を少しでも軽減するため、今回公表された区域図を可能な限り周知することや、ハザードマップの見直しを早期に進めるなど、ソフト対策の充実を図る必要があると考えます。 加えて、様々な分野での防災・減災対策の強化が叫ばれている中で、高潮対策を推進していくためには、国へ予算確保について強く訴えていくことも必要ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。いずれ来ると予期される高潮被害を最小限に抑えるため、高潮対策に係る取組をこれまで以上に推し進めていく必要があると考えますが、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、林業の今後の展開についてお尋ねいたします。 県土の多くを森林が占める本県は、国策において多くの地域で戦後、主に杉・ヒノキの植林が行われてきました。 戦後七十年以上が経過し、当時植林した人工林資源が本格的な利用、主伐期を迎えていることは御承知のことと思います。 当時、貴重な木材の需要を補うために植林が行われてきましたが、その後、化石燃料などによるエネルギーの転換や外国からの安価な輸入材の流入などにより、長い間、木材の価格が下落してきました。 しかしながら、近年、木材利用を促進する法改正などにより、公共建築物において木材利用の促進が図られるとともに、県産木材を使用した一般住宅や国産木材をCLT材に加工して建築された法人施設などが注目を集めるようになってきています。 そのような中、ロシアによるウクライナへの一方的な侵攻により、ウクライナが関係する麦などの穀物や化石燃料などが大きく影響を受けており、輸入木材もその一つであります。 コロナ禍により、従前よりも様々な分野、製品で影響を受けていたのに加えて、ウクライナ危機により、私たちの生活に必要な食料品から木材、燃料、あらゆる分野で価格が高騰し、日本国がいかに外国からの輸入に依存しているのかが明らかになりました。 こうした中、今までとは考え方を改め、国産品の需要促進と地産地消をいま一度、加速させる時期が到来したのではないかと感じています。国内産、県内産の木材の利用促進についても、その一つとして上げられるのではないでしょうか。 第二次ウッドショックと言われる今、この機を逃すことなく、外国産木材が高騰する中、同じくらいの金額を払うなら、国内産、県内産の木材をさらに使用する機運を高めていく必要があるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。県が森林組合連合会などと一緒になり、需給情報を共有するとともに、県民の需要に応えられるような供給体制を強化する必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、木材利用の促進に当たっては、伐採した跡地へ確実に植林を行うことにより、次の循環へつなげていく再造林の取組も重要であると思います。 しかしながら、一度木材需要の低迷を経験した森林所有者は、再造林に二の足を踏む者も少なくないと聞いています。再造林費用が主伐による収入を大きく上回ることが、再造林が進まない主な要因と言われているそうですが、主伐後の再造林の確保に向けてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、再生可能エネルギーについてお尋ねいたします。 今議会においては、各議員から脱炭素化の取組に関連する質問が出ているところですが、私からも、脱炭素に欠かせない再生可能エネルギーについて、二点質問させていただきます。 まず、分散型エネルギーの利用の促進についてお尋ねいたします。 政府は、CO2などの温室効果ガス排出量を二○五○年までに実質ゼロにするカーボンニュートラルという目標を掲げ、脱炭素に向けた取組を進めています。 このため、発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギーは脱炭素に不可欠なものとして、その重要性が一層高まっています。 現在は、風力、太陽光、地熱、水力など様々な再生可能エネルギーの発電利用がされていますし、研究段階のものでは波力などもありますが、どの発電にもメリットとデメリットがあります。 デメリットとしては、風力であれば風の強さ、太陽光であれば日照時間と気温、地熱であれば、地理的条件から受ける多くの制約、波力であれば台風による高潮等により発電量が大きく左右されることなどがあり、その不安定さを補う蓄電池の活用も必要です。 実は、我が家でも家屋に太陽光パネルと蓄電池を設置しております。 平成三十年の西日本大水害の際に、私の地元玖西地区において災害が発生し、幸いにも私の居住している地区では停電はありませんでしたが、後日、災害現場を視察した際には、コンクリート製の電柱がなぎ倒されているような事例も見受けられました。 また、私自身が長い海外生活において、停電を頻繁に経験したこともあり、オール電化の我が家においては、一たび停電が発生すれば不便な生活を余儀なくされることが容易に想像でき、非常時の備えも兼ねて、太陽光パネルと蓄電池を設置しました。 停電の際の蓄電池の電力供給先の家電には、井戸の給水ポンプを選択しました。なぜなら、海外生活において停電時に一番苦慮したのは水回りで、給水ポンプが動かないと洗面やトイレなど日常生活に大きな支障が出たからです。 我が家の太陽光と蓄電池のシステムでは、五月から六月の今においては、日照時間と気温が好条件なため、自宅の電気のほとんどを賄える状況にあります。 また、最近ではEV車の普及も進んでいることもあり、さながら動く蓄電池のように捉えれば、その利用価値は大きく広がります。 こうした中、県においては、山口大学の福代教授や山口東京理科大学の貴島教授とも連携し、EVの中古バッテリーを蓄電池として再利用して、太陽光発電と組み合わせることにより、家庭などでの省エネ効果を検証する、様々な用途に活用できる実証試験を行ったと聞いています。 そして、その実証試験の成果を国際会議で発表したところ、最優秀論文賞を受賞されたとのことであり、試験の成果を生かした今後の県の取組が大いに期待されるところです。 地域コミュニティーの中で、分散している比較的小規模な再生可能エネルギーを点と捉え、その点と点を線で結び、蓄電池と組み合わせてシステム化することで、使用電力を制御して活用すれば、より多くの省エネ効果が得られますし、災害時や悪天候時の安定した電力の確保にもつながるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。地域全体での電力使用を適切に使用することで、省電力などに結びつき、ひいては、CO2削減に大きく寄与することが期待できる分散型エネルギーの利用の促進について、今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 二点目に、水力発電の供給力向上について、水力発電を管理運営する企業局に対してお尋ねいたします。 先ほども触れましたとおり、再生可能エネルギーには太陽光や風力など様々なエネルギーが存在し、それぞれにメリット・デメリットがありますが、その中でも水力発電は、ダムにためた水を低いところに落とすことで得られる位置エネルギーを活用して発電機を回す仕組みのため、発電時にCO2の排出がなく、また天候に左右されにくく、昼夜を問わず一定量の電気を発電することができることから、クリーンで安定的で大切なエネルギー源であると言えます。 本県においては、県下に三十一か所の水力発電施設が設置されており、このうち企業局は十二の水力発電所を有し、最大出力は十二発電所合計で約五万二千キロワットとなっております。これは、一般家庭約五万世帯分の消費電力に相当し、県内の水力発電供給量の約半分を占める規模となっています。 県企業局においては、これまでも発電事業者として電力の安定供給に向けて適切に取り組んでこられたところであり、最近では、やまぐち維新でんきという新たなブランドを創設され、再生可能エネルギーの利用拡大・普及啓発にも積極的に取り組まれているところです。 先日行われた、やまぐち維新でんきの認証書交付式においては、県内九社に対して認証書が交付されたとのことであり、再生可能エネルギーに対する県内企業の関心の高さを改めて感じたところです。 今後、カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーに対する関心と需要はさらに高まっていくことが予期されます。長年水力発電に取り組んでこられた企業局は、そのトップランナーとして、これまで培ってこられたノウハウをお持ちであり、私は水力発電による電気がさらに利用されるよう、その供給が拡大されることを期待しているところです。 そこでお尋ねいたします。再生可能エネルギーの重要性が高まる中、企業局においては水力発電の供給力向上に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、投票環境の充実強化についてお尋ねいたします。 昨年秋から参議院議員補欠選挙、衆議院議員総選挙、山口県知事選挙と大きな選挙が続きましたが、投票率の低下に歯止めがかかりません。 来週には参議院議員通常選挙の火蓋が切られる予定ですが、そのような中で、有権者の方々から私へ、投票したいと思っているが投票所に行くことが難しい、投票しやすい環境をつくってほしいといった切実な声が多く寄せられております。 投票環境の充実や強化については、これまで我が会派からも問題提起をさせていただき、中山間地域などへのワゴン車による移動期日前投票所の導入など、移動困難な方への対策を図られていることは承知しております。 しかしながら、こうした取組は一部にとどまっており、県下全域に波及していないのが現状です。今後も著しい速さで過疎化や過疎地域などでの人口減少や高齢化が進むと予想される本県を鑑みますと、その時代に合った本県ならではの投票環境を、柔軟かつ速やかに整備していく必要があると考えます。 例えば、選挙管理委員会の指定する病院や老人ホームなどに入院中または入所中の方は、その施設で不在者投票ができますが、一方で、こうした指定施設で働く看護師や介護福祉士の方などは、入院患者や入所者のような投票方法は利用できません。 こうした方々は、不規則な勤務形態の中で、ましてや現下のコロナ禍で業務に精励される中で、現実問題としてなかなか投票所まで足を運ぶことは難しい状況にあるとお聞きしており、確かに不在者投票については、制度上、県の裁量で対象を広げることはできませんが、他県では期日前投票の仕組みを使って、こうした課題を解決した事例があります。 秋田県のある自治体では、病院内に期日前投票所を設置することによって、入院患者はもとより、勤務する看護師が休憩時間に、あるいは診察のため来院した患者が待ち時間に投票でき、課題となっていた不在者投票による病院側の事務負担も大きく軽減されたそうです。 他県において、医療関係者に対して導入されたこのような取組が、本県でもできないことはありません。本県でも、医療関係者や福祉施設関係者が、入院患者や入所者の不在者投票に併せて、勤務先で期日前投票ができるような環境を整え、投票機会の公平性を担保すべきだと考えます。 また、大学生等の投票環境についても、期日前投票所を増設するなど、本県ならではの取組が必要であります。かつて、山口市内では、山口大学のほかに山口県立大学にも期日前投票所が設置されておりましたが、現在は、利用者の減少などにより、県立大学には設けられておりません。 しかしながら、大学生などの二十歳前後の投票率が極めて低い昨今の状況を踏まえれば、積極的に大学等に期日前投票所を設けることも有効な対策であると考えます。 実際にさきの知事選では、下関市内の大学に移動期日前投票所を設けた結果、学生や地域の方々に好評であったと伺っております。 投票所の設置については、市町の選挙管理委員会の権限ではありますが、県は財政的支援を厚くするなど、積極的に導入を働きかける仕組みづくりは可能と思われます。他県では、県立高校に期日前投票所を設置し、主権者教育の一環として、高校生が投票事務に従事した事例も報告されております。 生徒からは、「学校に投票所があると便利。ちゃんと投票しようと思える」「とても緊張した。前日までインターネットや新聞でたくさん調べて、自分の思いに近いことを訴える人に投票した」といった感想があったそうです。 こうした取組は、大学等にも通じますし、むしろ、投票の権利を得たばかりの世代に、大学等と連携してアプローチすることは非常に重要なことだと考えます。選挙事務についても、大学生等を積極的に採用するのはいかがでしょうか。 以上、大きく二点ほど申し上げました。 そこでお尋ねいたします。投票環境の充実や強化に向け、選挙管理委員会におかれては、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 山手議員の御質問にお答えします。 まず、即戦力としてのデジタル人材の育成についてです。 デジタルの力で県が直面する様々な課題を解決し、新たな活力を生み出していくためには、産業をはじめとする各分野、各地域において、デジタル化の取組を担う人材が必要となることから、私は、その育成・確保を、やまぐちデジタル改革の重要な施策と位置づけ、取組を加速化しています。 このデジタル人材への需要は、本県のみならず全国で高まっており、外部からの即戦力となる人材を確保することが非常に厳しい状況にあるため、今県内の様々な組織の中にいる人材を、デジタル技術を理解し、現場で実装できる人材へと育てていく取組が非常に重要だと考えています。 このため、企業や行政等の内部人材が、それぞれの現場で生かせるデジタル技術を習得できるよう、やまぐちDX推進拠点「Y─BASE」を核に、IT企業等と連携を図りながら、人材育成に向けた様々な取組を進めています。 具体的には、DXのコア技術であり、加速度的にその活用が進むAIの仕組みから、予測モデルの開発までを学べるオンライン講座の提供や、今後の価値創造の源泉となるデータ活用に向けた、データ分析ソフト等を習得するセミナーの開催、アプリ開発の内製化を図る技術研修などを行っています。 こうした取組に加え、山口大学と連携した企業の技術力向上に向けたデータサイエンスの専門講座や、スマート農機導入の技能講習会なども開催しており、各分野における即戦力人材の育成にも力を入れています。 さらに今年度から、AIモデルの開発を競うコンペティションや、企業等のニーズが高いデザイン思考を学ぶ実践講座等を新たに開始することとしており、より高度な人材の育成に向けた取組も積極的に進めていきます。 一方で、私は、本県をはじめとする地方が必要とするデジタル人材を確保するためには、人材の都市部への偏在を是正することも必要だと考えています。 このため、私が全国知事会デジタル社会推進本部長として参画をした国の会議等において、国が主体となり、地方への人材還流に取り組むことを強く求めたところです。 こうした国への要請が実り、政府が今月閣議決定した、デジタル田園都市国家構想基本方針には、都市部からの人材還流に取り組む政策パッケージが盛り込まれており、この政策とも連携して、都市部からの即戦力人材の確保にも取り組んでいきます。 私は、やまぐちデジタル改革の推進に向け、国の取組とも連携を図りながら、即戦力となるデジタル人材の育成と確保に積極的に取り組んでまいります。 次に、分散型エネルギーの利用の促進についてのお尋ねにお答えします。 太陽光発電等の再生可能エネルギーや蓄電池など、比較的小規模で地域に分散しているエネルギーリソースを組み合わせて活用することは、地域の脱炭素化をはじめ、防災・減災、経済の活性化など、様々な効果を期待できることから、その促進が必要と考えています。 このため、本県では、全国に先駆けて、電気自動車の中古バッテリーと太陽光発電を連携させた実証試験に着手し、晴天時の余剰電力を蓄電して夜間に活用するなど、分散型エネルギーの省エネ効果等を確認したところであり、お示しのとおり、その成果は国際会議で高い評価を頂きました。 こうした中、国においては、二○五○年カーボンニュートラルの実現に向け、昨年六月に、脱炭素化の具体的な取組を示した地域脱炭素ロードマップを策定するとともに、再生可能エネルギーや電気自動車等の導入などを支援する新たな交付金を創設したところです。 私は、こうした国の動きを的確に捉え、地域脱炭素化に資する分散型エネルギーについて、その効果的な活用を明らかにした上で、普及につなげていきたいと考えています。 このため、産学公で構成するプロジェクトチームを設置し、地域に分散する太陽光発電や蓄電池、電気自動車等をネットワーク化してIoTで制御する、新たな実証試験を本年二月から開始したところです。 具体的には、太陽光発電の余剰電力を遠隔操作で蓄電池や電気自動車に充電させ、消費電力のピークカットや災害時の電源としての活用などを想定した試験を行っており、再生可能エネルギーの有効活用によるCO2削減効果やコスト等を検証しています。 また、県有施設に分散型エネルギーを率先導入するため、今年度、太陽光発電や電気自動車の導入ポテンシャル調査を行うこととしており、これらを踏まえ、来年度以降の導入計画を策定することとしています。 今後は、この導入計画に基づき、実証試験で得られた知見等も生かしながら、様々な県有施設を分散型エネルギーの普及啓発の拠点として整備することにより、市町や事業者の施設への導入につなげていきます。 私は、今後とも、県民、事業者、市町等と緊密に連携し、地域脱炭素化に有効な分散型エネルギーの導入の促進に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 高潮対策の推進についてのお尋ねにお答えします。 県では、これまで、台風接近時の高潮によって、度々、瀬戸内海沿岸域が被害を受けてきたことから、県民の生命と財産を守るためには、高潮対策は極めて重要であると考えています。 このため、海岸保全基本計画等に基づき、過去の被害状況や背後の土地利用等を勘案し、緊急度の高い箇所から、堤防の整備や護岸のかさ上げなどのハード整備を計画的に進めているところです。 また、施設の能力を上回る高潮に対しては、住民への的確な情報伝達や避難行動につなげるため、山口県土木防災情報システムによる潮位情報などの提供や、本県を襲った過去最大規模の台風による高潮を想定したハザードマップの公表など、これまで全国に先駆けてソフト対策にも取り組んできました。 こうした中、高潮による甚大な浸水被害が全国的に多発したことから、平成二十七年に水防法が改正され、我が国における過去最大規模の台風による高潮に対して、命を守り、壊滅的被害を回避するための避難体制等のさらなる充実強化を図ることとされました。 このため、県では、過去に大きな高潮被害が発生した山口南沿岸を対象に、この五月に、法改正の趣旨を踏まえた新たな高潮浸水想定区域図を作成し、公表したところです。 今後、当該区域図が、水害リスクを考慮したまちづくりなどにつながるよう、県のホームページ等で公開するとともに、出前講座等を通じて、県民の皆様への幅広い周知に努めてまいります。 さらに、山口南沿岸の関係市町では、新たな浸水想定に対応するため、今年度から高潮ハザードマップの見直しに着手したところであり、県では引き続き、市町に対する技術的支援を行ってまいります。 また、こうした高潮対策の取組を進めるに当たっては、国の、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の予算も活用し、一層の推進に努めているところであり、引き続き、国の支援が受けられるよう、必要な予算の確保について、政府要望等あらゆる機会を通じて国に強く訴えていく考えです。 県としては、県民の安心・安全の確保のため、今後とも、ハード・ソフト両面から高潮対策に積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 林業の今後の展開についての二点のお尋ねにお答えします。 本県の人工林の多くが本格的な利用期を迎える中、森林資源を適切に循環利用していくためには、お示しのように、県産木材の需給情報の共有や供給体制の強化、主伐後の再造林の確保が重要です。 このため、まず、県産木材の需給情報については、原木流通システムを活用し、森林組合等の林業事業体は今後伐採する木材に関する供給情報を、製材事業者等は必要とする樹種や量などの需要情報をそれぞれ登録します。 その情報を共有した上で、システムを管理運営する山口県森林組合連合会が需給調整を行い、需要に応じた木材の安定供給に努めています。 また、供給体制の強化については、高性能林業機械の導入や路網の整備を推進するとともに、ICT対応の林業機械などのスマート技術の現場実装や、異業種からの新規参入の支援などによる新たな林業事業体の確保・育成に取り組んでいきます。 次に、主伐後の再造林の確保についてです。 木材価格の長期的な低迷等により、森林所有者の林業への投資意欲が薄れる中、再造林の実施率は低位な状況にとどまっています。 このため、県では、再造林の支障となっている、大きな費用負担や造林作業の担い手不足を解消するため、新たな技術を取り入れた省力かつ低コストな造林体系の確立を目指します。 具体的には、林業機械を活用しながら伐採と植林作業を同時並行して行う、主伐と再造林の一貫作業や、ドローンによる苗木等の資材運搬、年間を通じて植林作業が可能なコンテナ苗の活用など、様々な低コスト再造林技術の導入と定着に取り組んでまいります。 加えて、成長等に優れるエリートツリーを再造林することで、下刈りなどの回数削減や収穫期間の短縮が期待できることから、その種子供給に向け、県営林木育種園に現存する種子採取用母樹を順次、新しい品種に更新していきます。 県としては、関係団体等と緊密に連携しながら、需要に的確に応える県産木材の供給体制強化と、切って、使って、植える森林資源の循環利用の確立に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) デジタル人材の育成についてのお尋ねのうち、中長期的なデジタル人材の育成についてお答えします。 社会のデジタル化が急速に進展する中、子供たちには学校生活はもとより、家庭生活や職業生活等において、情報や情報技術を適切に選択し活用する力、いわゆる情報活用能力を育成することが重要です。 このため、国は、新学習指導要領において、この情報活用能力を学習の基盤となる資質・能力と位置づけ、小中学校では、プログラミングを体験しながら論理的思考力等を身につけるための学習活動が実施されています。 また、高等学校においては、今年度から学年進行で、全ての生徒が情報Ⅰの科目を履修することとなり、プログラミングや情報セキュリティー等について学びながら、問題を発見・解決する能力の育成を図っているところです。 こうした学習の基盤となる情報活用能力を育成する取組に加え、中長期的なデジタル人材の育成に向けては、意欲のある子供たちが、将来、デジタル分野での活躍を目指すことにつながるような取組も必要です。 このため、県教委では、全国に先駆けて整備した一人一台タブレット端末等のICT環境を活用し、子供たちの可能性を広げる、やまぐちスマートスクール構想を推進する中で、より高度なデジタル技術等を学ぶ機会を創出する取組も進めているところです。 具体的には、昨年度から、高校生を対象にプログラミング技術等を競うICT活用コンテストやデータサイエンティスト育成講座を開催し、ICTスキルの向上やトップレベルの人材を目指す意識の醸成に努めています。 また、こうした機会に併せて、高校生がデジタル分野の第一線で活躍する方々と交流するなど、デジタル人材としての働き方や魅力を感じることができる取組も進めているところです。 さらに、ICT活用コンテストについては、今年度から、デジタルアート部門の対象に小中学生を加え、より早い時期からデジタル分野への興味・関心を喚起する機会を設けることとしています。 県教委といたしましては、全ての子供がデジタル社会に主体的に参画するとともに、本県の次代を担うデジタル人材として活躍することができるよう、必要な資質・能力の育成等に積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 正司公営企業管理者。    〔公営企業管理者 正司尚義君登壇〕 ◎公営企業管理者(正司尚義君) 再生可能エネルギーについてのお尋ねのうち、水力発電の供給力向上についてお答えします。 国における二○五○年カーボンニュートラルの宣言を契機として、CO2を排出しない再生可能エネルギーとしての水力発電が注目され、期待感も高まりを見せる中、企業局では水力発電の供給力の向上に向けて、発電施設の増強や効率的な発電による発電量の増加に取り組んでいるところです。 まず、発電施設の増強については、約千五百世帯分の電気を供給できる平瀬発電所の建設を令和六年度の運用開始を目指して進めるほか、ダムの未利用落差等を活用した新たな発電所も整備していきます。 既設の発電所においては、施設の老朽化状況や実施コスト等を勘案し、発電所全体を更新するリニューアルや機器を発電効率のよいものに交換するリパワリングを計画的に進めていきます。 効率的な発電については、定期的なオーバーホール等の適切なメンテナンスの実施により、発電所を安定的に稼働させるとともに、降雨予報に基づきダム貯留水を有効活用するなど、発電量の増加に向けた、よりきめ細かな運用を行っていきます。 また、県内のNPO法人等が主体となって取り組む小水力発電の開発に対しても、これまで培ってきたノウハウを活用した技術支援を行っているところであり、これらの取組を着実に進めることにより、県全体としての水力発電の供給力を向上させていきます。 一方で、水力発電による電気の利用を拡大することも重要であることから、これまで行ってきた水力発電所の見学ツアーやフォトコンテストなどの普及啓発に加え、お示しのように、今年度新たに中国電力株式会社と連携し、県内企業に水力発電によるCO2フリー電気を供給する、やまぐち維新でんきの取組を開始いたしました。 先日の認証書交付式において、利用いただく企業からは、環境問題への貢献に大いに役立つ、製品の製造過程における環境負荷を低減できるなどの評価を頂いたところであり、今後、さらなる需要拡大に努めるとともに、環境部局とも連携した再生可能エネルギーの普及啓発にも取り組んでいきます。 企業局としては、やまぐち維新でんきなどによる水力発電の利用拡大を図りながら、本県の豊富な水資源を活用した水力発電の供給力向上に向け、あらゆる観点から、不断の努力を積み重ねてまいります。    〔正司公営企業管理者の発言中、二木副議長に代わり、柳居議長が議長席に着く〕 ○議長(柳居俊学君) 秋本選挙管理委員長。    〔選挙管理委員長 秋本泰治君登壇〕 ◎選挙管理委員長(秋本泰治君) 投票環境の充実強化についてのお尋ねにお答えします。 各選挙における本県の投票率が低下傾向にある中、有権者の方の投票しやすい環境を確保・整備していくことは、重要な課題であると認識しています。 投票所の設置につきましては、公職選挙法に基づき市町村の選挙管理委員会が行うこととされていますが、県選管としても、機会あるごとに市町選管に対して、投票環境の向上について積極的に取組を進めるよう働きかけてきたところです。 お示しの医療従事者等の投票環境の向上につきましては、選挙当日、投票所に出向かなくても投票できる期日前投票所の設置の検討に資するよう、先進事例の紹介や助言等を行ってきました。 特に、病院への期日前投票所の設置につきましては、秋田県の事例では、医療従事者のみならず、路線バス等により通院される高齢者等の投票環境の向上にもつながるものであったことから、大規模な病院等が立地する市町選管に対して、直接、働きかけを行ったところです。 今回の参議院選挙における期日前投票所の増設については、投票に多数の有権者が訪れることから、現下のコロナ禍における医療現場の状況を踏まえ、市町選管では、商業施設や駅等への設置を重点に対応することとされています。 県選管としては、投票環境の向上に向け、病院等、期日前投票所の設置場所の工夫を図るなど、有権者の投票機会の確保・整備を進めるよう、今後、市町選管への働きかけを強化していきたいと考えています。 次に、大学生等の投票環境の向上につきましては、各種選挙における投票率が、二十歳代前半で最も低く、十八歳及び十九歳の投票率も全体平均より低い状況にあることから、積極的に取り組むことが重要と考えています。 市町選管に対しては、若者の投票促進につながる大学等への期日前投票所の設置を進めるよう助言等を行っているところであり、参議院選挙では、例えば、下関市において、市内の二大学に設置してきた移動期日前投票所について、別の短期大学も追加して実施される予定です。 お示しの選挙事務に大学生等を採用することにつきましては、若者に選挙への関心を持っていただくため、下関市や山口市選管では、大学生を期日前投票所の投票立会人に選任し、県選管でも、県内の大学生グループと連携した啓発活動を実施することとしております。 県選管としては、こうした投票環境の向上に向けた取組や、大学生等と協力した取組が県内でさらに加速するよう、必要な選挙執行経費を確保するとともに、市町に対して様々な機会を捉え、情報提供や助言等により働きかけを行ってまいります。 今後とも、一人でも多くの有権者の方が進んで投票に参加されるよう、投票環境の充実強化にしっかりと取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) これをもって、一般質問及び提出議案に対する質疑を終結いたします。   ──────────────────────    委員会付託の省略について ○議長(柳居俊学君) ただいま議題となっております議案第十四号の人事案件につきましては、委員会付託を省略したいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、議案第十四号の人事案件につきましては、委員会付託を省略することに決定いたしました。   ──────────────────────    表 決 ○議長(柳居俊学君) これより議案第十四号 人事委員会の委員の選任について同意を求めるの件を採決いたします。 本件は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○議長(柳居俊学君) 起立全員であります。よって、議案第十四号 人事委員会の委員の選任について同意を求めるの件は、これに同意することに決定をいたしました。   ───────────── △日程第三意見書案第一号及び第二号 ○議長(柳居俊学君) 日程第三、意見書案第一号 地方財政の充実・強化を求める意見書及び意見書案第二号 シルバー人材センターの安定的な事業運営のための適切な措置を求める意見書を議題といたします。 意見書案は、お手元に配付のとおりでございます。   ──────────────────────    提出者の説明の省略について ○議長(柳居俊学君) 意見書案につきましては、提案理由の説明を省略をしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、意見書案につきましては、提案理由の説明を省略をすることに決定いたしました。   ──────────────────────    委員会付託 ○議長(柳居俊学君) これより委員会付託を行います。 議案第一号から第十三号まで及び意見書案第一号、第二号をそれぞれ所管の常任委員会に付託をいたします。   ──────────────────────    委員会審査の期限について ○議長(柳居俊学君) ただいま常任委員会に付託をいたしました議案及び意見書案につきましては、六月二十二日までに審査を終えるよう期限をつけることにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、議案及び意見書案につきましては、六月二十二日までに審査を終えるよう期限をつけることに決定をいたしました。   ─────────────    休会について ○議長(柳居俊学君) 六月二十三日は、議事の都合により休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、六月二十三日は休会をすることに決定をいたしました。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) 以上をもって、本日の日程は全て終了をいたしました。 本日は、これをもって散会をいたします。御苦労さまでございました。    午後二時四十二分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   二   木   健   治                   会議録署名議員   森   繁   哲   也                   会議録署名議員   猶   野       克...